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CANDY DULFER

artist CANDY DULFER

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


約5年ぶりのニュー・アルバム『Together』を携えて、今年もNo.1ファンキー・サックス・クイーンがフロアを熱狂させています。キャンディ・ダルファーの極上エンタテインメント・ショウです。

共演メンバーには音楽上の最高のパートナーといえるギターのウルコ・ベッドを筆頭に、若手気鋭ヴォーカルのアイヴァン・ペロティとカミーロ・ロドリゲス、キーボードのホルディ・カルフスヴェルなど、前回の来日でも快演した顔ぶれがずらりと並びます。キャンディはステージの端から端まで機敏に動き、ときには客席に入り込んでアルト・サックスを吹きまくるだけではなく、美しく力強い歌声もたっぷり披露。貫録たっぷりのアクションで次々とメンバーに指示を出し、MCでもオーディエンスを喜ばせます。超満員の場内を見て、「いつも来てくれる熱心なファンの顔がたくさん見えるし、初めて来てくれた方もずいぶんいるみたいね。皆さん、思いっきり楽しんでください」。こう言われて盛り上がらないファンはいないでしょう。

前半では「How It's Done」やプリンスに捧げた「Out of Time」など、『Together』に入っている楽曲が歯切れよくライヴで表現されていきます。そして中盤では、キャンディの出世作のひとつである「Lily Was Here」を演奏。「この曲、もう1万回ぐらいプレイしてきたわ。私の名を世界に知らしめてくれた思い出の曲で、当時私は17歳だった。それからもう10年ぐらい経つかしら」と笑いをとりながら、ウルコの"泣きのギター"と共に絶品のバラードを聴かせてくれました。『Together』に収録される前からライヴでは抜群の人気曲だった「What U Do」では、キャンディとヴォーカリストたちがジャンプしながらパフォーマンスを続け、2003年のアルバム『Right in My Soul 』からの「Lost and Gone」では頭上でミラーボールが輝く中、とことん表情豊かなサックス・プレイを聴かせてくれました。

オーラスは"これが出なきゃキャンディのライヴに来た気がしない"というファンからの声も多そうな「Sax-A-Go-Go」と「Pick Up The Pieces」のメドレー。途中、ニッキー・ローマンとのドラムスとのデュオ・パートでは、マイケル・ジャクソンの「Billie Jean」をワン・コーラス吹き、その後、数分間、"どんな彼女のCDでもここまで激しくブロウしていないんじゃないか"と思えるほどハードそのもののアドリブで場内を沸かせました。キャンディの成功以降、数々の女性サックス奏者が音楽シーンを華やかにしていますが、"女王"の輝きは増すばかりです。公演は21日まで続きます。
(原田 2017 11.18)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2017 11.18 SAT.
1st
1. INTRO
2. HOW IT’S DONE
3. OUT OF TIME
4. LILY WAS HERE
5. PROMISES
6. WHAT U DO
7. LOST AND GONE
8. TOGETHER
EC. SAX-A-GO-GO
EC2. PICK UP THE PIESES
 
2nd
1. INTRO
2. HOW IT’S DONE
3. OUT OF TIME
4. LILY WAS HERE
5. PROMISES
6. WHAT U DO
7. LOST AND GONE
8. CALIFORNIA LOVE ~ NO DIGGITY
9. TOGETHER
EC1. PICK UP THE PIESES
EC2. SAX-A-GO-GO

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