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GRETCHEN PARLATO

artist GRETCHEN PARLATO , MARK GUILIANA

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


2010年代のジャズ系ヴォーカルは、彼女ぬきには語れません。グレッチェン・パーラトが、約4年半ぶりにブルーノート東京に登場しています。もちろん観客は超満員、いかに多くのファンが再登場を待ち望んでいたかがわかります。

そして今回は、バックのメンバーも、"黄金"と呼ぶしかないラインナップです。卓越したジャズ・ベーシストでありシンガー・ソングライターでもあるアラン・ハンプトン、うねりにうねるピアノ・プレイを展開するサモラ・ピンダーヒューズ、そしてドラムスは夫君のマーク・ジュリアナが担当しています。ぼくはグレッチェンのヴォーカルに耳を澄ませ、歌が終わったあとの3者の絡み合いに興奮し、「次は何が飛び出すのだろう」と、わくわくしたままワン・セットを体験し終えました。

レパートリーは初期のアルバム『In A Dream』に入っていた「Within Me」から始まり、シンプリー・レッドの「Holding Back the Years」、ハービー・ハンコックの「Butterfly」、ウェイン・ショーターの「Juju」と続いていきます。「Juju」に歌詞をつけて歌っているシンガーはとても珍しいと思います。グレッチェンの歌唱は"抑制された中に燃え上がる炎"といった感じ。そしてアラン、サモラ、マークは4小節として同じパターンをキープしません。それぞれが触発しあいながら、主役のヴォーカルに刺激を与えます。
中盤ではアランがエレクトリック・ギターに持ち替えて、グレッチェンとのヴォーカル・デュエットを聴かせてくれました。ぼくは東日本大震災のチャリティ・アルバム『Home Gift of Music』を聴いて以来、アランの絹のような歌声に魅せられているのですが、グレッチェンと創り出すハーモニーは、また絶品。この声の重なりを聴くだけでも、ライヴに足を運ぶ価値はありすぎです。

公演は本日まで開催。進行形のジャズ・シーンにおいて、歌やドラムがどんなところまで来ているのかを知る上でも、見逃せない公演だと思います。残席はぜひお店に問い合わせていただけたらと思います。
(原田 2017 9.21)


Photo by Takuo Sato

SET LIST

2017 9.20 WED.
1st
1. WITHIN ME
2. HOLDING BACK THE YEARS
3. BUTTERFLY
4. JUJU
5. STILL
6. IF IT WAS
7. THERE’S THIS SIDE
8. WEAK
EC. MAGNUS
 
2nd
1. WITHIN ME
2. HOLDING BACK THE YEARS
3. BUTTERFLY
4. JUJU
5. STILL
6. IF IT WAS
7. FLOR DE LIS
8. WEAK
EC. MAGNUS

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