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HARVEY MASON "CHAMELEON" featuring JOSEF LEIMBERG, MARK de CLIVE-LOWE & MONONEON with special guest DJ Krush (9.2 sat., 9.3 sun.)

artist HARVEY MASON , MARK de CLIVE-LOWE

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


大人気スムース・ジャズ系ユニット"フォープレイ"のドラマー、ハーヴィー・メイソンが昨日から自身の"カメレオン・バンド"を率いて来日しています。フォープレイでの端正でまろやかなプレイとはまた異なる、自由奔放で大胆不敵な叩きっぷりを楽しむことができます。フォープレイとカメレオン・バンドの両方に接してこそ、現在のハーヴィー・メイソン像が完成するといっていいでしょう。

そして今回の来日は、絶妙なタイミングで実現しました。というのは、おとといまで"コリア・ガッド・バンド"でスティーヴ・ガッドが登場していたからです。クロスオーヴァー~フュージョン黄金期、ニューヨークのガッドとロサンゼルスのメイソンは好敵手といっていい存在でした。スタッフのドラマーがガッドで、ジェントル・ソウツのドラマーがメイソンだった、と書くだけで、当時のふたりの位置がわかると思います。この2017年にガッドとメイソンのナマが連続で聴ける・・・改めてドラムという楽器の魅力と奥深さにおぼれているドラム・ファンも多いのではないでしょうか。

メイソン率いるカメレオン・バンドは、まさにその名の通りコロコロとメンバーが変わります。気鋭の登竜門的グループでもあるのでしょう。そしてその都度、音楽性にもヴァリエーションが加わります。今回のメンバーはジョセフ・ライムバーグ(トランペット)、モノネオン(ベース)、5台の鍵盤楽器を操るマーク・ド・クライヴ・ロウ(前回に引き続き参加)、そして日本から浜崎航(テナー&ソプラノ・サックス、フルート)。右利き用の楽器をそのまま180度回転させて弾く(ジミ・ヘンドリックスのように)モノネオンのプレイを間近で見ることができたのも収穫でした。音の図太さ、発想の面白さに、ぼくはふとブーツィ・コリンズを思い出しましたが、モノネオンの華と凄味は、公演の大きな見どころのひとつであると断言できます。

今回の来日では、カメレオン・バンドは15曲ほどのレパートリーの中からステージを構成する予定です。ぼくが見た初日ファースト・セットは、「4AM」「Chameleon」「Actual Proof」などハービー・ハンコックの曲が多めでした。先に触れた2曲は、ハンコックのスタジオ録音(それぞれ『Mr.Hands』、『Head Hunters』収録)でもメイソンが叩いていましたが、「Actual Proof」のスタジオ録音のドラマーはマイク・クラークです。それをメイソンが彼自身のスタイルに染め上げていくのも大きな聴きものでした。この曲では長いドラム・ソロもフィーチャーされましたが、そこにその場でマークがダブ的な音響操作を加えます。様々に加工されたドラムの音がスピーカーから勢いよく飛び出し、オーディエンスはさらに沸きました。

本日(2日)と3日の公演にはDJ Krushが加わります。いかなる予想も超える、化学反応満載のセッションになることが間違いないでしょう。
(原田 2017 9.2)


Photo by Great The Kabukicho

SET LIST

2017 9.1 FRI.
1st
1. BREAKING BAD
2. 4AM
3. TOKYO STATION
4. NO LANDS MAN
5. NAUTILUS
6. 8:22 A.M.
7. ACTUAL PROOF
8. CHAMELEON
 
2nd
1. BREAKING BAD
2. 4AM
3. TOKYO STATION
4. NO LANDS MAN
5. NAUTILUS
6. 8:22 A.M.
7. ACTUAL PROOF
8. STEPPING INTO TOMORROW
9. DISTRACTIONS
10. GHAZIYA
11. CHAMELEON
EC. GROOVIN’ YOU ~ SOFTLY

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