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KEZIAH JONES

artist KEZIAH JONES

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


変幻自在のギターとヴォーカルが、真夏の夜にスリリングな興奮を運びます。

ナイジェリア出身の鬼才、キザイア・ジョーンズの圧倒的なステージが、昨日から始まりました。ブルーノート東京への登場は約2年4か月ぶり、通算2度目です。前回はバンド編成でしたが、今回はギター弾き語りによるソロ・パフォーマンス。彼の音作りの骨格があらわになるというか、エッセンスが伝わるというか、とにかく生々しいパフォーマンスが続きます。「キザイアは家でもこうやってギター片手に曲を書き、ギターをかき鳴らしているのかな」と考えるうちに、ぼくはなんだか彼のホーム・パーティに招かれているような気分になってきました。

トレードマークの帽子をかぶり、足取りも軽くステージに登場したキザイアはオーディエンスに「今日はアコースティック・ソングをお届けするよ」と言い、ギターを手にします。彼のプレイは決してヴォーカルの"伴奏"にとどまりません。歌の合間にオブリガート(助奏)を入れたり、かと思えば歌とメロディをユニゾンで奏でたり、単音と和音を絶妙に組み合わせたプレイを歌に絡ませたり・・・目の前にいるのはキザイアひとりなのに、"これ、本当にすべてひとりで演唱しているのか?"と信じられなくなる瞬間もたびたびありました。しかも事前にプログラミングされたものは一切なく、すべてがリアルタイムで行なわれているのですから、神業です。ヴォーカル・マイクは2本使用されていて、1本にはエフェクターがかかっていました。そのマイクの前で歌うと、キザイアの声にハーモニーがかかり、"ひとりコーラス"が完成するのです。

演目は「Kpafuca」、「What We Don't Know」、「Beautiful Emily」、プリンスの有名曲をキザイア色に染めた「When Doves Cry」等。彼は事前にセットリストを作らず、その場で何を披露するか決めていくタイプですが、ギターと歌の絡みはどの曲でも冴えわたり、観客を沸かせます。そしてオーラスは大定番の「Rhythm Is Love」。コール&レスポンスを織り込んだ展開、ギターをお尻側に回しての超絶ソロ。本日もこのテンションで、彼は突っ走ってくれることでしょう。
(原田 2017 8.7)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2017 8.6 SUN.
1st
1. FEMILIARISE
2. THE WISDOM BEHIND THE SMILE (CASH)
3. WHERE’S LIFE
4. KPAFUCA
5. NEPTUNE
6. BEAUTIFUL EMILIE
7. PLEASURE IS KISSES WITHIN
8. WHAT WE DON’T KNOW
9. INSIDE OUT AND UPSIDE DOWN
10. ALL PRAISES
11. THE INVISIBLE LADDER
 
2nd
1. FEMILIARISE
2. WET QUESTIONS
3. NEPTUNE
4. ALL PRAISES
5. PLEASURE IS KISSES WITHIN
6. WHERE’S LIFE
7. THE WISDOM BEHIND THE SMILE (CASH)
8. KPAFUCA
9. WHAT WE DON’T KNOW
10. BEAUTIFUL EMILIE
11. WHEN DOVES CRY
12. WAR
13. SECRET THOUGHTS
EC. RHYTHM IS LOVE

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