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TOKU:New Album "SHAKE" Release Tour

artist TOKU , 大黒摩季

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


これほど多彩なプログラムが、ひとつのセットに盛り込まれるとは!TOKUの卓越したミュージシャンシップ、統率力、進行のうまさ、エンタテインメント性にすっかり酔わされました。6月にリリースされた最新作『SHAKE』のリリース・ツアー、待ちに待った東京公演です。

オープニングは、まずTOKUのバンド単体によるパフォーマンス「Opening(let the music play you)」。ツイン・キーボード(一台はアコースティック・ピアノ)、エレクトリック&アコースティック・ベース、ツイン・ドラムスと、リズム・セクションだけで6人もいるので、音の厚みが尋常ではありません。TOKUはトランペットとヴォーカルで存在感を示し、続いてデヴィッド・ボウイの「Space Oddity」へ。アコースティック・ギターを弾きながら歌うTOKUの背後に、幻想的な映像が映し出されます。続いてはフリューゲルホーンとヴォーカルで、ハービー・ハンコックのディスコ・ナンバー「I Thought It Was You」。先日のシトラス・サン+テムズ・リヴァー・ソウル公演でも取り上げられた曲ですが、TOKUヴァージョンは、よりハービーの初演に近いアレンジが導入されています。

ここからは豪華ゲストが次々と登場します。「素敵な声の持ち主」多和田えみ、「この人のおかげでノンジャンルの音楽を聴いて育った」父親・TOKUPAPA(マンドリン)、「大好きな盟友」ZeebraとDABO、「めちゃくちゃかっこいいギタリスト」土屋公平・・・彼らが登場するたびに大きな声援があがります。それぞれ1曲ずつのフィーチャーですが、たっぷり見せ場があり、TOKUのヴォーカル、トランペット、フリューゲルホーンともしっかり絡みます。続いてプレイされたのは、ゲストなしによる「Maxine」。この9月、Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2017に登場するドナルド・フェイゲンの楽曲です。このミディアム・スローなナンバーで、一度会場の空気をクールダウンさせます。

そして後半は、さらなるゲストが登場。「大好きなシンガー」AISHA、「長い長い友人」大黒摩季が、TOKUとコクのあるデュエット・ヴォーカルを聴かせます。ゲストなしによる「Purple Rain」の後は、全員がバンドスタンドに再登場して「Opening(let the music play you)」を再び。日比谷野音あたりで開催してもすごく盛り上がりそうなプログラムを、「ブルーノート東京」の親密感あふれる空間の中で聴けるのは、ぜいたくのひとことに尽きます。

ゲストのことを中心に書きましたが、次世代を担う凄腕ミュージシャンがずらりと集まったバンドの演奏も必聴ものです。2000年代の若手筆頭であったTOKUが今、吉田サトシ、宮川純、石若駿など2010年代の若手をバンドに加え、創造を続けていること。これはまさしく快挙です。
(原田 2017 8.1)

Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2017 7.31 MON.
1st & 2nd
1. Let The Music Play You
2. Space Oddity
3. I Thought It Was You
4. Guilty
5. Tightrope
6. Montara
7. Satisfaction
8. Maxine
9. Moonshine
10. Dance Me To The End Of Love
11. Purple Rain
EC. Let The Music Play You (reprise)

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