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SARAH McKENZIE - in collaboration with Melbourne International Jazz Festival -

artist SARAH McKENZIE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


オーストラリア最大級のジャズ祭"メルボルン・インターナショナル・ジャズ・フェスティヴァル"とブルーノート東京がコラボレーション。その記念すべき公演が今、開催されています。主人公はオーストラリア・メルボルン出身のパース育ち、米国滞在を経て現在はフランス・パリを拠点に活動するサラ・マッケンジー。最新作『雨のパリで』を携えての、初来日公演です。

共演メンバーは、ソフィー・ミルマンの「ブルーノート東京」公演にも参加したことがあるカリフォルニア出身のペリー・スミス(ギター)、シドニー生まれのアレックス・ボーナム(ベース)、そしてミンガス・ビッグ・バンドやダイアン・シューアのサポートでも知られるベテランのドナルド・エドワーズ(ドラムス)。サラは歌のほか、得意のピアノもたっぷり聴かせてくれました。ピアノ&ヴォーカルに、ギター、ベース、ドラムスという組み合わせは、あのダイアナ・クラールやブロッサム・ディアリー、男性ではマット・デニスやボブ・ドローなどの弾き語りの名手たちが愛好してきたフォーマット。小粋な歌やピアノに、厚みのあるホロウ・ボディのギターの音色が加わると、なんともいえないcozy(居心地の良い、小ぢんまりした)雰囲気が生まれます。

レパートリーは日本デビュー作となった『雨のパリで』からのものが中心です。トニー・ベネットも歌った「When in Rome」から4者の息はぴったり。ピアノのブロック・コードとギターの響きを重ねるあたり、サラが大好きだというジョージ・シアリング・クインテット(1949年に結成され、70年代まで続いた人気グループ。ゲイリー・バートンなど数多くの逸材を輩出した)へのリスペクトが濃厚です。「I'm Old Fashioned」ではメンバー全員がソロをとり、どこかノスタルジックな曲調の「One Jealous Moon」におけるサラは、ピアノや歌だけではなくソングライティングにも並々ならぬ才能を持ち合わせていることを示しました。

2011年のアルバム『Don't Tempt Me』から「I've Got the Blues Tonight」が取り上げられたのも個人的には嬉しかったです。シャッフル・リズムにのせてサラは、赤いドレス、ブロンドの髪というルックスからは想像がつかないほどのディープなブルース歌唱を繰り広げ、続いてピアノでかなり長いソロをとります。これまた抜群の乗りのよさ。少女の頃、ジーン・ハリス(ザ・スリー・サウンズで活動したアメリカ人ピアニスト)の演奏に魅了されたのがジャズに深入りするきっかけになった、というエピソードをそのまま裏付けるような、ディープでブルージーな、ごきげんなプレイでした。

このブルースでは圧倒的に盛り上がりましたが、いっぽう映画「ティファニーで朝食を」からのバラード「Moon River」ではピアノを弾く手を休め、ペリーのギターだけをバックに朗々とメロディを歌い上げます。熱くなるところでは徹底的に熱くなり、じっくり聴かせるところでは、これ以上ないほど繊細に楽曲を表現する・・・ぼくは彼女からそんな印象を受けました。要注目の新歌姫、サラ・マッケンジーのライヴは本日も行なわれます。
(原田 2017 4.28)


Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2017 4.27 THU.
1st
1. WHEN IN ROME
2. I’M OLD FASHIONED
3. WE COULD BE LOVERS
4. ONE JEALOUS MOON
5. DON’T TEMPT ME
6. PARIS IN THE RAIN
7. I’VE GOT THE BLUES TONIGHT
8. EMBRACEABLE YOU
9. TIGHT
10. TRISTE
11. DAY IN DAY OUT
EC. THE LOVERS TUNE
 
2nd
1. WHEN IN ROME
2. I’M OLD FASHIONED
3. WE COULD BE LOVERS
4. ONE JEALOUS MOON
5. DON’T TEMPT ME
6. PARIS IN THE RAIN
7. I’VE GOT THE BLUES TONIGHT
8. MOON RIVER
9. TIGHT
10. TRISTE
11. BYE BYE BLACKBIRD
EC. THE LOVERS TUNE

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