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KURT ROSENWINKEL'S CAIPI BAND @BLUE NOTE TOKYO

artist ANTONIO LOUREIRO , KURT ROSENWINKEL

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


「これは今年のベスト・アクトではないか!」
聴いているうちに鳥肌が立ち、動悸が早くなりました。どの曲もメロディ、リズム、ハーモニーすべてが美しく、幻想的で、ポップ。メンバー全員が絡み合いながら展開される音作りは、まるで大きなつづれおりのようです。

トップ・ギタリスト、カート・ローゼンウィンケル率いる"カイピ・バンド"が、最新傑作『カイピ』の香り高さを、ついに日本のファンにライヴで繰り広げる日がやってきました。これまでにも古典的なモダン・ジャズから、Qティップとの共同プロデュース『ハートコア』まで多彩な作品を発表してきたカートですが、今回はブラジル音楽への愛を全面的に吐露。鬼才アントニオ・ロウレイロを含む気鋭たちと共に紡ぎ出す世界は、むちゃくちゃ風通しが良く、徹底的に快いものです。カートのギターの音色はいわゆる「ジャズ」を演奏している時とはまた異なり、ちょっとパット・メセニーのギター・シンセサイザー風。バンドの演奏パターンはまずメロディを提示し、ラスト近くになって即興が含まれるアレンジが中心でした。その即興部分におけるカートはアグレッシヴなまでに弾きまくり、それがまたメロディ部分の優しさ、滑らかさと鮮やかなコントラストを描きます。彼はまた、曲によってちょっとハスキー&低めの声でリード・ヴォーカルもとりました。「カートって、歌もうまいんだ」と、ぼくはあらためて彼の多才ぶりに唸らされました。

ステージ前方で、カートと並んでパフォーマンスするペドロ・マルチンスも大変な逸材。名匠アミルトン・ヂ・オランダが賞賛を寄せ、2011年、18歳の時にアルバム『Sonhando Alto』でデビューしました。高くやわらかな歌声、広がりのあるキーボード・プレイ、ギターでは曲によってリード・パートもサイド・パートもこなします。彼に限らず、ロウレイロ、ピアノのオリヴィア・トラマー(リッチー・バイラークも絶賛するドイツ出身の気鋭)、ベースのフェデリコ・エリオドーロもコーラスが堪能です。女性(オリヴィア)の声+男性の高めの声+男性の低めの声が重なった「Casio Vanguard」のコーラス部分の美しさ、そして後半のサンバヘギ(samba reggae)的展開への移り変わり、まさしく息もつかせぬ展開です。

ペドロ・アスナールがいた頃のパット・メセニー・グループや、坂本龍一とアート・リンゼイの共演作などが大好物のリスナーにも、思いっきり訴えるサウンドだと思います。「ブルーノート東京」に集まったファンはみんな笑顔でこのライヴを聴いたでしょうし、演奏後、ステージ中央に集まって肩を組んだメンバーの表情は、実にさわやかで、達成感に溢れていました。ジャンル、国籍、世代、ジェンダーの区別を問わない彼らの現在進行形サウンドの、なんとピースフルなことか。カイピ・バンドが今後もコンスタントな活動を続け、第2弾、第3弾と作品を発表してくれることを願ってやみません。
(原田 2017 4.15)


Photo by Takuo Sato

●KURT ROSENWINKEL'S CAIPI BAND
- Japan Tour 2017 -
2017 4.14 fri., 4.15 sat.  ブルーノート東京
詳細はこちら
2017 4.16 sun.  モーション・ブルー・ヨコハマ
詳細はこちら

SET LIST

2017 4.14 FRI.
1st
1. CAIPI
2. KAMA
3. CASIO VANGUARD
4. ALL IS WELL
5. SONG FOR OUR SEA
6. LITTLE DREAM
7. CASIO ESCHER
8. LITTLE B
EC. PORTUGUESE
 
2nd
1. CAIPI
2. KAMA
3. CASIO VANGUARD
4. TIME MACHINE
5. KNOW THE ANSWER
6. CHROMATIC B
7. INTERSCAPE
8. RECOGNIZED
9. HOLD ON
EC. LITTLE B

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