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LAKE STREET DIVE

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


「日本でパフォーマンスできて本当に良かった。今から、もう次の来日を心待ちにしているの。」初日ファースト・セットの後半、リード・ヴォーカルのレイチェル・プライスは感極まった表情でこう言いました。それを受けて、観客の拍手や声援がいっそう高まります。男女ふたりずつからなるユニット、レイク・ストリート・ダイヴの初来日公演が、まさしく開催中です。

結成は2004年、米国ボストンにて。2012年からフルタイムでの活動を始め、ジャクソン5のカヴァー「I Want You Back」が動画サイトで400万回を超える再生回数を記録。映画「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」(日本でも上映されました。猫が大活躍していたのを思い出します)の公開記念コンサートでは、エルヴィス・コステロやパンチ・ブラザーズとステージをわけあったとのことです。ぼくがレイク・ストリート・ダイヴのライヴを見るのは今回が初めてですが、メロディアスな曲調、タイトなリズム、エモーショナルなリード・ヴォーカル、彩り豊かなバック・コーラス、どれにも引き込まれました。ロックやジャズやソウルの豊かな歴史にリスペクトしつつ、自分たちが望む音楽に存分に取り組んでいる気持ち良さを感じました。

プログラムは、昨年リリースされたアルバム『Side Pony』からのナンバーが中心。タイトル曲を筆頭に、「Godawful Things」、「I Don't Care About You」、「How Good It Feels」、「Saving All My Sinning」などを次々と届けてくれました。リフ(短い反復フレーズ)を基調とした音作りは、実に親しみやすく、つい一緒に口ずさんでしまうほどです。レイチェルは一切楽器をせず、ヴォーカルに専念しますが、ファンキーな曲からしっとりしたバラードまで、ものすごくよく通る声で歌いこなします。ブリジット・カーニーのウッド・ベースの指板の下にはピックアップがとりつけられていて、エフェクターを通した音色は実にカラフルです(弓弾きも幻想的でした)。ドラムスのマイケル・カラブリースはタムに布(だと思います)を置き、あえて余韻を消し去ったサウンドでビートを刻みます。"パーン"というよりは"ドゥッ""ズドッ"といった感じの沈み込んだ響きですが、それが滑らかなヴォーカルと巧みなコントラストを描きます。マイケル"マックダック"オルソンはエレクトリック・ギターだけではなく、トランペット演奏もたっぷり披露。「How Good It Feels」ではアコースティック・ギターに持ち替え、繊細なストロークをたっぷり聴かせます。また、「What I'm Doing Here」では、メンバー全員がステージ前方中央に集まって、あまりにも美しいコーラス・ワークを味わわせてくれました。演奏力も歌唱力もハーモニー力も、とにかく抜群の4人なのです。

オーラスではもちろん、「I Want You Back」がプレイされました。ジャクソン5ヴァージョンの、あの印象的なイントロのフレーズをそのまま使いつつも(ブリジットがプレイしました)、ぐっとテンポを落とし、ブルージーに迫ります。400万VIEWを獲得したサウンドを、目の前で味わえる幸せ。再来日も近いうちに間違いなく行なわれることでしょうが、まずは本日「ブルーノート東京」のステージに、ぜひお越しください!
(原田 2017 1.17)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2017 1.16 MON.
1st
1. GODAWFUL THINGS
2. I DON'T CARE ABOUT YOU
3. SIDE PONY
4. CLEAR A SPACE
5. HOW GOOD IT FEELS
6. STOP YOUR CRYING
7. SAVING ALL MY SINNING
8. SPECTACULAR FAILURE
9. WHEN YOU WERE MINE
10. ELIJAH
11. WHAT I'M DOING HERE
12. YOU GO DOWN SMOOTH
13. BAD SELF PORTRAITS
14. SEVENTEEN
15. CALL OFF YOUR DOGS
EC. I WANT YOU BACK
 
2nd
1. RABID ANIMAL
2. I DON'T CARE ABOUT YOU
3. SIDE PONY
4. WALKING ON BROKEN GLASS
5. LOLA
6. HELL YEAH
7. SAVING ALL MY SINNING
8. SPECTACULAR FAILURE
9. ELIJAH
10. THE NEIGHBOR'S SONG
11. FAITH
12. YOU GO DOWN SMOOTH
13. BAD SELF PORTRAITS
14. SEVENTEEN
15. GODAWFUL THINGS
EC. BOHEMIAN RHAPSODY

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