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DANI & DEBORA GURGEL QUARTETO / "DDG4" Release Tour 2016

artist DANI & DEBORA GURGEL QUARTETO

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


明るく楽しく味わい深い、とことんファミリアなジャズ・サンバの世界が広がります。人気がすっかり定着した感があるブラジルのユニット、"DDG4"ことダニ&デボラ・ダルジェル・クアルテートが昨年に引き続き「ブルーノート東京」で公演開催中です。

1曲目は昨年リリースされたアルバム『Garra』から、そのタイトル・チューン。ひとりが4つのパートを同時に演奏しているのではないかと思えるほど息の合ったプレイ、小気味よいアンサンブルはオープニングから全開です。まるでスロー・バラードのような表題を持つ「Quiet Little Lady」は、ピアノとスキャットの高速ユニゾンを生かしたアップ・テンポのナンバー。母・デボラの指さばきと、娘・ダニの張りのある歌声がシンクロし、途中ではピアノとベース(シジェル・ヴィエイラ)のデュオ・パートも登場します。"もうこれでエンディングに行くのかな"と思ったら、続いてはダニのスキャットとドラムスのチアゴ・ハベーロが8小節ずつの掛け合いを繰り広げます。顔を見合わせながら和気あいあいと、ハイ・テクニックを繰り出して熱い応酬を聴かせるこのふたりは、ジョイス・モレーノとトゥチ・モレーノのように、末永い"おしどり夫婦"になることでしょう。

中盤では出たばかりの最新作『DDG4』から「Nao tem troco」、「La de cima」、「Livre」などをプレイ。DDG4はマイケル・ジャクソンの「Rock With You」などカヴァー曲にも定評がありますが、ぼくが見たセットではスティーヴィー・ワンダーの「Sir Duke」を小粋に聴かせてくれました(英語)。本編ラストは、ダニとチアゴが授かった愛娘"ヒタ"に寄せた「Samba pra Rita」。とても覚えやすいリフレインを持った曲で、エンディングの頃には会場中に合唱と手拍子の輪が広がりました。メンバー4人もそのリフレインを歌いながら退場しましたが、楽屋に戻っていく入り口には、ヒタちゃんの姿も。ママ、パパ、おばあちゃんの快演を、全身で楽しんでいるように見えました。

公演は本日も行なわれます。近年ますますジャズの要素を強調しているモレーノ夫妻や、ブラジリアン・ナンバーに取り組んでいる時のイリアーヌのファンにもお勧めの、超充実パフォーマンスです!
(原田 2016 11.7)

Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2016 11.6 SUN.
1st & 2nd
1. GARRA
2. QUIET LITTLE LADY
3. SEM FRONTEIRAS
4. NAO TEM TROCO
5. AQUELE UM
6. LA DE CIMA
7. LIVRE
8. SIR DUKE
9. 36-47
10. PRO ROMERO
11. FORRO BRASIL
12. SAMBA PRA RITA
EC1. TRÊS LUAS
EC2. SMELLS LIKE TEEN SPIRIT

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