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PUNCH BROTHERS

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


大成功、という言葉がぴったりの初来日公演です。話題沸騰のバンド、パンチ・ブラザーズが今、日本でプレイしています!

曲が終わるたびに超満員の観客から猛烈な歓声と拍手がわき、ジョークを交えたMCでは笑いが起こり、最後はスタンディング・オヴェイションです。中心人物のクリス・シーリーが「なんてアメイジングなオーディエンスなんだ」と喜んでいましたが、これほど気合の入ったプレイをたっぷり聴かされたら、熱狂するしかないでしょう。「我が国(アメリカ)を代表する偉大なバンド」と"ヴィレッジ・ヴォイス" 誌に紹介され、名プロデューサーのTボーン・バーネットは「クリスは100年にひとりの天才であろう」と称賛。先ほど国内リリースされた映像作品『ハウ・トゥ・グロウ・ア・バンド~パンチ・ブラザーズの作り方』にはジョン・ポール・ジョーンズ(レッド・ツェッペリン)、ヨー・ヨー・マ、ジェリー・ダグラスら錚々たる巨星たちも登場しています。全米グラス・チャートでは、6作中5作が首位を獲得。16日から「ブルーノート東京」に登場する矢野顕子も、彼らの大ファンです。

それにしても"あの"パンチ・ブラザーズを、こんなに近い距離で見ることができるとは。ステージにはアンプひとつなく、マイクも1本だけ。そのマイクを囲むようにして5人が集まり、絶妙な弦の重なりを観客に届けます。各人がマスター級の技量を持ち、アンサンブルもアドリブもリズムも抜群。エクステンション(これをつけると最低音をEからCまで下げることができる)をベースにつけたポール・コートの美しい弓弾きにも酔わされました。ジャンルとしてはブルーグラスということになるのでしょうが、まだぼくはこの分野を知ろうとしているところで、ケンタッキー・カーネルズやデイヴィッド・グリスマン等を聴くくらいです。しかしパンチ・ブラザーズの面白さは、そんな自分にもわかりました。ヨーデル唱法(日本ではウイリー沖山が大家として知られています)も交えつつ歌うかと思えば、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングばりのコーラスも聴かせ、しかも楽曲にはファンキーな要素(クリスがマンドリンで、まるでジェイムズ・ブラウン・バンドのジミー・ノーレンばりのカッティングをするのです)、スウィンギーな要素も満載。キラー・チューンのひとつであろう「Julep」、ゲイブ・ウィッチャーのヴァイオリンがうねる「Rye Whiskey」で観客を乗せ、かと思えばドビュッシーの「Passepied」(ベルガマスク組曲第4番「パスピエ」)ではクラブ全体を室内楽の空気で満たします。

パンチ・ブラザーズ、そらおそろしいバンドです。公演は5日まで続きます。年末あたりには、おそらく今年最高の洋楽系ギグのひとつとして語られるのではないでしょうか。
(原田 2016 8.4)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2016 8.3 WED.
1st
1. MY OH MY
2. BOLL WEEVIL
3. WATCH 'AT BREAKDOWN
4. THIS GIRL
5. ANOTHER NEW WORLD
6. PASSEPIED
7. MOVEMENT AND LOCATION
8. BRAKEMAN'S BLUES
9. CAZADERO
10. NEW YORK CITY
11. JULEP
12. FLIPPEN
13. MAGNET
EC. RYE WHISKEY
 
2nd
1. FAMILIARITY
2. THE HOPS OF GULDENBERG
3. RYE WHISKEY
4. DON'T GET MARRIED WITHOUT ME
5. NO MORE. YET
6. DEAD LEAVES
7. JULEP
8. KID A
9. WAYSIDE (BACK IN TIME)
10. MAGNET
11. NEW CHANCE BLUES
12. MY OH MY
13. BOLL WEEVIL
EC1. LITTLE LIGHTS
EC2. SLED RIDING

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