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RICHARD BONA & MANDEKAN CUBANO @SAPPORO CITY JAZZ

artist RICHARD BONA

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


カメルーンに生まれ、パリで頭角を現し、ニューヨークを拠点に活躍中。そんなリチャード・ボナが、アフリカン・サウンドとキューバン・サウンドの融合を目指す"マンデカン・クバーノ"を率いて来日しました。「ブルーノート東京」公演は7月31日(日曜)から8月2日(火曜)にかけて行なわれますが、ぼくはそれにさきがけて28日、北海道最大級のジャズ系イベントのひとつ「サッポロ・シティ・ジャズ」におけるライヴ・パフォーマンスを堪能しました。

ここ数日、ぐずついた天気が続く札幌ですが、この28日は昼過ぎから豪雨でした。しかし夕方になるころには雨脚も遠ざかり、「シティ・ジャズ」の特設会場がオープンする頃には、空気も少しずつ暖かくなり始めました。午後7時半を少し過ぎて、盛大な拍手の中をバンドの面々が登場します。水色のシャツとジーンズ姿のボナは全身から喜びを発散するようにプレイし、"サッポロ!"とシャウトしながら満場を盛り上げていきます。マンデカン・クバーノが発足したのは確か5年ほど前だったと思います。ぼくは2012年の初来日公演も聴きました。そのときは「ちょっとジャム・セッション風だなあ」と思ったのですが、今回の公演は、とにかく「バンドの音」です。ボナを始めとする凄腕メンバーたちが、どれほどこのユニットに打ち込み、サウンドをまとめあげてきたか。それが伝わってくるのです。

打楽器3人と管楽器2人が織りなす分厚い音群が燃焼し、アコースティック・ピアノに専念したオスマニー・パレーデスの洗練されたハーモニーが清涼感を付け加え、ボナの優しく力強いヴォーカル、深みのあるベースの音色に酔いしれていると、時間があっというまに過ぎます。海外盤が登場したばかりのアルバム『Heritage』からでは、ボナ流サルサというべき「Bilongo」が圧巻でした。ベースを弾きながら、快演するホーン・セクションの横に歩み寄っていくボナ。彼らのソロの合間に掛け声をかけて鼓舞し、会心のプレイが終わると「良かったよ!」とばかりに笑顔で各メンバーに視線を送ります。こんなポジティヴなリーダーがいれば、誰だって張り切ってしまうはずです。プログラムの途中では「メンバーがキューバにバケイションに行っちゃったから、ぼくが一人で歌うよ」というジョークのあと、ソロ・コーナーも披露。日本語曲「風がくれたメロディ」ではじっくりとバラードを歌い込み、その他ループを用いた"ひとりコーラス"、ソロ・ピアノ演奏も聴かせてくれました。クライマックスは、大定番の「O Sen Sen Sen」。様々なバンドで演奏されてきたボナの超人気曲ですが、マンデカン・クバーノによるヴァージョンはより土臭く、ワイルドです。総立ちの場内からは手拍子だけではなく合唱も巻き起こりました。

世界中をツアーし、音楽の喜びを伝えるリチャード・ボナ。絶好調の"マンデカン・クバーノ"が東京でどんな熱演を聴かせてくれるのか、ぜひ全身で体感していただけたらと思います。
(原田 2016 7.29)

●RICHARD BONA & MANDEKAN CUBANO
2016 7.30 sat. 南郷サマージャズフェスティバル2016
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2016 7.31 sun., 8.1 mon., 8.2 tue. ブルーノート東京
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