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NIK WEST featuring JOHN BLACKWELL

artist JOHN BLACKWELL , NIK WEST

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


約2年ぶりの東京公演は、梅雨空を吹っ飛ばすほどの熱気と爽快感に溢れています。プリンスやブーツィ・コリンズらを魅了してきたベーシスト/ヴォーカリスト、ニック・ウェストのステージです。プリンスが突然、別の惑星に旅立ってしまったのは去る4月21日のこと。ニックの来日はその前から決まっていましたが、ドラマーがプリンスのバンド"ニュー・パワー・ジェネレーション"のジョン・ブラックウェルということもあり、ぼくはニック自身のサウンドを味わうのはもちろん、プリンスのトリビュート・ライヴとしてもこの夜を堪能いたしました。

ステージはまずふたりのギタリストのバトルから始まります。アリエル・ベルヴァレイアはディストーションをかけてへヴィー・メタル風に激しく弾きまくり、ヒュービー・ワンはクリーンな音で歯切れのよいファンク・カッティングを繰り返します。まるでこれから始まるニックの"ロックとファンクの融合"を予感させるようなセッションです。やがて紫のヘアピース(?)をつけたニックが登場。いきなり強烈なスラッピングを聴かせ、さらにステージ前方の花道に飛び出してオーディエンスに囲まれながら熱演しました。観客の心を一瞬で掴んでしまうかのような、堂々たるパフォーマンス。まだ初々しさを残していた2年前が信じられないほどの逞しさです。「Say Somethin'」は、近日リリース予定のニュー・アルバムからの表題曲。親しみやすいリフレイン、メリハリに富んだメロディ・ライン、ニックの力強い歌声と、ポップでファンキーな要素満載のナンバーです。

プリンスがプロデュースしたアンディ・アロー(2014年に当店出演)の代表曲「People Pleaser」のカヴァーでは、オリジナル・レコーディングにも参加していたブラックウェルのドラムスもフィーチャー。重量感たっぷりのバスドラの響きと、地を這うようなニックのベースが絶妙なアンサンブルを形成します。いっぽうミディアム・テンポの「Bottles and Cans」ではベースをアリエルに任せ、ニックはいちヴォーカリストとしての魅力を発揮。通路を歩いてオーディエンスとコミュニケ―ションをとったあと、バンドスタンドに戻って今度はブラックウェルと歌の掛け合いを繰り広げます。そしてオーラスはプリンスの「Kiss」。"プリンスのために、立ち上がって踊ろう!"というニックの声に観客が応え、場内は総立ちになりました。

ベース、ヴォーカル、バンド・サウンド、そのどれに期待しても、決して裏切られることはないでしょう。ライジング・スター、ニック・ウェストにご注目を!
(原田 2016 6.29)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2016 6.28 TUE.
1st
1. INTRO
2. BASS GROOVE
3. SAY SOMETHIN
4. PEOPLE PLEASER
5. FORBIDDEN FRUIT
6. BOTTLES AND CANS
7. PROUD MARY
8. BASS COVER MEDLEY (1.YOU HAVEN'T DONE NOTHIN ~ 2.THANK YOU ~ 3.GIVE IT TO ME ~ 4.GET ON THE FLOOR ~ 5.COME TOGETHER)
9. MY RELATIONSHIP
EC. KISS
 
2nd
1. INTRO
2. BASS GROOVE
3. SAY SOMETHIN
4. PEOPLE PLEASER
5. FORBIDDEN FRUIT
6. BOTTLES AND CANS
7. PROUD MARY
EC. KISS

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