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DIANE SCHUUR @COTTON CLUB

artist DIANE SCHUUR

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


ヴォーカルとピアノの双方に魅力を発揮する人気ミュージシャン、ダイアン・シューアが来日中です。6月26日から本日まで「コットンクラブ」に出演、6月30日には「ブルーノート東京」に登場します。'84年に彗星のごとくアルバム・デビューして以来、毎年のように日本を訪れているダイアン。大の親日家でもあり、彼女の来日公演に毎回足を運んでいるファンも少なくないことでしょう。ぼくは27日、コットンクラブで最新のダイアンを楽しみました。

今回の共演メンバーはドン・ブレイデン(テナー・サックス、フルート)、ロジャー・ハインズ(ベース)、ケンドール・ケイ(ドラムス)。'90年代からジャズを聴いている方には、ブレイデンの名がなじみ深く感じられることでしょう。ブランフォード・マルサリスが華やかに登場したのが'80年代半ば、ジョシュア・レッドマンがセンセーションを巻き起こしたのが'90年代半ば。その間にラルフ・ムーア、ジャヴォン・ジャクソン、ジェイムズ・カーターらと共に注目を集めたのがブレイデンなのです。彼は現在まで20種近いリーダー・アルバムをリリースしており、そのプレイにはさらなる深みが加わっています。ダイアンもさかんにブレイデンのソロをフィーチャーし、インストゥルメンタル曲は、このベテラン・サックス奏者の独壇場といっていいものでした。

ダイアンは日本ツアーのために、30曲ほどの"曲目リスト"を用意しました。しかしここからの曲が歌われるとは限りません。そのときのオーディエンスの雰囲気を感じ取り、臨機応変に曲目を変えていくのです。ぼくが見たこのセットもいきなり、リストにない「You'd Be So Nice To Come Home To」から始まり、次に「Midnight Sun」にとりかかろうとしましたが、"歌詞を忘れちゃったわ"といいながら即座に「The Man I Love」へとつなげていきました。次から次へと曲が出てくるダイアンもすごいですが、それに0コンマ何秒で合わせ、ぴったりサポートを始めるバンドの面々も実にすごい。これこそ、プロの凄味です。

近年のお気に入りであるチャック・マンジョーネ作「Land Of Make Believe」をドラマティックに歌いこなし、ラストは「Summertime」をレゲエ調にアレンジしてオーディエンスから賑やかな手拍子を引き出しました。通好みの曲と、超有名曲の配分がまた、絶妙なのです。エンディングでダイアンは「毎回違うショウになるから、ぜひまた来てね」と言っていました。本日のコットンクラブ公演、30日のブルーノート東京公演ともども、大いにもりあがることでしょう。
(原田 2016 6.28)

Photo by Y.Yoneda


●DIANE SCHUUR
2016 6.26 sun., 6.27 mon., 6.28 tue. コットンクラブ
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2016 6.30 thu. ブルーノート東京
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