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CHERYL LYNN

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


シェリル・リンという名前をきいただけで、「Got to Be Real」のリズム・パターンを思いうかべてウキウキしてしまう・・・そんな方も多数いらっしゃるのではないかと思います。彼女の来日公演が昨日から絶賛開催中です。「ブルーノート東京」店内は、すっかりダンスフロア状態。ディスコ黄金時代を代表する歌姫の、いまなお輝き続ける歌声に、誰もが笑顔で体を揺らします。しかも今年は、彼女がミュージカル「ザ・ウィズ」で本格的なプロ活動を始めてから、ちょうど40周年のアニバーサリーにあたるのです。

曲目は「Encore」あり、「Shake It Up Tonight」あり、「Fade to Black」ありと、"ヴェリー・ベスト・オブ・シェリル・リン"というべきもの。3人のバック・コーラス、ツイン・キーボードを生かした伴奏は厚みがあり、シェリルの歌声は力強く、伸びがあります。ときおり高音で、うがいをするようなロング・トーンを出したり、口の筋肉を細かく動かして声量やビブラートを細かに調整します。時おり入る濃厚なシャウトは、彼女のゴスペル・バックグラウンドを強く感じさせるものでした。'82年に故ルーサー・ヴァンドロスと歌いあげた「If This World Were Mine」(マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルが'67年に発表した曲のカヴァー)を、この日はコーラス隊のひとりであるドナルド・ミッチェルとのデュエットで披露。男性にしては高めの声を持つドナルドと、シェリルの声が時に一体化したり、時にハーモニーを創り出しながら、なんともいえずつややかなバラード世界を届けます。天井ではミラーボールが回転し、場内の雰囲気をさらに盛り上げます。

一度はバックステージに戻ったシェリルですが、"あの曲"を求める拍手はやみません。そしてついにお待ちかね、永遠の名曲「Got to Be Real」の登場です。1978年にリリースされ、全米R&Bチャートの首位を獲得。日本でも大流行したナンバーです。シェリルは客席に入り込み、ファンとのコール&レスポンスやメンバー紹介を盛り込みながら、時間をかけて熱唱します。もちろんファンは総立ち、けっきょくシェリルはバンドスタンドに戻ることなく、客席で歌い続けてエンディングを迎えました。ダンス・ミュージックの女王、健在! 公演は26日まで続きます。
(原田 2016 6.25)

Photo by Makoto Ebi

SET LIST

2016 6.24 FRI.
1st & 2nd
1. INTRO
2. SWEET SUMMER LOVE
3. ENCORE
4. ALL MY LOVIN'
5. FADE TO BLACK
6. YOU SAVED MY DAY
7. I'M ON FIRE
8. IF THIS WORLD WERE MINE
9. SHAKE IT UP TONIGHT
EC. GOT TO BE REAL

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