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ROY HARGROVE QUINTET

artist ROY HARGROVE

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


おしゃれなファッション・センスと、カーボンファイバー製のトランペットが実によくマッチしています。人気者、ロイ・ハーグローヴが堂々の来日です。

共演者はジャスティン・ロビンソン(アルト・サックス)、サリヴァン・フォートナー(ピアノ)、アミーン・サリーム(ベース)、ジェレミー・クレモンス(ドラムス)。ジャスティンはロイの1歳上、1968年に生まれました。リズム・セクションはいずれも若手で、サリヴァンは今年で30歳を迎えます。彼ら4人はロイを巧みにサポートしつつも、ソロ・パートでは自由奔放にプレイし、満員の観客から大きな拍手を集めました。ロイはステージのそでにある椅子に座って、彼らのプレイにじっと耳を傾けています。ロイのバンドからはかつてアントニオ・ハート、マーク・ケアリー、ジェラルド・クレイトンらが巣立っていますが、このクインテットもすこぶる充実しており、とくにジェレミーのバスドラは強烈でした。これまでアンディ・ベイ(ホレス・シルヴァーやゲイリー・バーツと共演した男性歌手)、カール・クレイグらと共演、"ソウル・アンダーステイテッド"というジャジー・ヒップ・ホップ・バンドも率いています。

ロイはサリヴァンとのデュオ演奏「Ruby My Dear」でバラード奏者としての円熟を示し、最近とくに力を入れているヴォーカル曲では、ナット・キング・コールも歌った通好みのナンバー「My Personal Possession」やサム・クックの「Soothe Me」が光りました。『ロイ・ハーグローヴ・シングス』のようなアルバムがリリースされることも近いことでしょう。ほか、ハービー・ハンコックのジャズ・ファンク・ナンバー「Actual Proof」の超絶アコースティック・ヴァージョンも聴くことができましたが、これはジャスティン、サリヴァン、ジェレミーのショウケース的な内容でした。

ラスト、ロイとジャスティンは客席を練り歩いて演奏し、バックステージに戻っていきました。ステージではメンバー紹介以外まったくしゃべらず、サングラスを離さないロイですが(デビュー当時は素顔で朗らかにMCをしていたものですが、彼の中でアプローチが変わったのでしょう)、ファンからの熱い声援はしっかり届いていたはずです。40代半ば、男ざかりを迎えているロイの、さらなる活躍を願ってやみません。公演は29日まで続きます。
(原田 2016 1.27)

Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2016 1.26 TUE.
1st
1. I JUST FOUND OUT ABOUT LOVE
2. SLUGGO'S RETURN
3. STARMAKER
4. MONK'S MOOD ~ ASK ME NOW
5. ROOT PRAYER
6. BOOK'S BOSSA
7. YOU'RE MY EVERYTHING
8. THE DEEP END
9. STRASBOURG ST. DENIS
EC. SOOTHE ME
 
2nd
1. CAMARADERIE
2. FOR MY NEPHEWS
3. A SIMPLE TASK
4. RUBY, MY DEAR
5. NAIMA'S LOVE SONG
6. POCKET TESTIMONY
7. MY PERSONAL POSSESSION
8. ACTUAL PROOF
EC. SOOTHE ME

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