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CHICO & THE GYPSIES

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


ワールド・ミュージック、フラメンコ、サルサ、ルンバ等を愛するファンにとって、今年は特別に嬉しい1年であることでしょう。10月下旬にジプシー・キングス、そして今、このチコ&ザ・ジプシーズと、熱狂の来日公演が続いているのですから。

チコ&ザ・ジプシーズのリーダー、チコ・ブーチキーはジプシー・キングスの創設メンバーのひとりであり、同グループの音楽性を決定づけた重要な存在です。グループが軌道に乗ったところで脱退し、新たにチコ&ザ・ジプシーズを結成しました。以前インタビューした時の、「残ったメンバーはジプシー・キングスの名を継承し、私は創設時のジプシー・キングスが持っていた魂をジプシーズで継承している」という発言が忘れられません。今回も全編にわたって熱演に次ぐ熱演、オーディエンスは総立ちになり、手拍子や合唱でパフォーマンスに加わります。その瞬間は「ブルーノート東京」にいる全員がチコ&ザ・ジプシーズのメンバーなのだ、といっても過言ではないと思います。

ステージにはまずヴァイオリン、ベース、ピアノ、ドラムスの各奏者が登場します。演奏が快調に進み始めたころを見計らって、5人のギタリストが歩みを進めます。先頭はもちろんリーダーのチコです。「Corazon Gitano」ではムニンのしゃがれ気味の熱唱が思いっきりフィーチャーされます。曲が終わると、チコがすかさず"ジプシー・フィエスタの準備はいいかい?"と観客に語り掛け、続くインストゥルメンタル曲「Allegria」ではリード・ギタリストのケマとヴァイオリン奏者のピー・ウィーがソロの応酬を繰り広げます。「Baila Me」ではムニンのしゃがれ声とホセの高めの声のコントラストが際立ち、柔らかな声の持ち主であるカサカはバラードの途中に、達者な日本語による「千の風になって」を挿入しました。

定番「Todos Ole」ではスラップ奏法を取り入れたベースやモントゥーノを奏でるピアノが、ファンキーな雰囲気を運びます。アストル・ピアソラの「Libertango」はピー・ウィーのショウケース的1曲。この情熱的なメロディを、激しいアクションを交えながら弾きまくります。かと思えば今度はケマが、日本では時代劇の挿入曲としても親しまれている「Inspiration」を、超絶技巧を交えながらプレイ。本当にジプシーズには、楽器にも歌にも才能豊かなメンバーが集まっています。

ラストはおなじみ、「Djobi Djoba」(マイケル・ジャクソン「Thriller」風ベース・ラインが新鮮でした)、「Bamboleo」、「Volare」といった世界的ヒット・ナンバーの数々。キラーチューンを持っているバンドは強い!と、ぼくは改めて思いました。ジプシー・フィエスタは30日まで続きます。
(原田 2015 11.26)

SET LIST

2015 11.27 FRI.
1st
1. CORAZON GITANO
2. ALLEGRIA
3. BAILA ME
4. AMOR DE MIS AMORES
5. PHARAON
6. PETINGO
7. MADRE MIA
8. TODOS OLE
9. LIBERTANGO
10. INSPIRATION
11. HOTEL CALIFORNIA
12. DJOBI DJOBA
13. BAMBOLEO
EC. VOLARE
 
2nd
1. CORAZON GITANO
2. ALLEGRIA
3. BAILA ME
4. AMOR DE MIS AMORES
5. PHARAON
6. PETINGO
7. MADRE MIA
8. TODOS OLE
9. LIBERTANGO
10. INSPIRATION
11. HOTEL CALIFORNIA
12. WAKA WAKA
13. DJOBI DJOBA
14. BAMBOLEO
EC1. VOLARE
EC2. DANZA KUDURO

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