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STACEY KENT

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


先週の水曜日にあたる11月18日に、最新アルバム『テンダリー』を国内発売したばかり。地球規模の活動を続けるステイシー・ケントが、絶好のタイミングで来日しています。

ステージには左からドラム、アコースティック・ベース、フェンダー・ローズ、アコースティック・ピアノがセッティングされています。そしてその前方右にステイシー、前方左に夫君のジム・トムリンソンが位置します。ジムは今回、テナー・サックス、フルート、より低い音の出るアルト・フルートを使い分けるだけではなく、アコースティック・ギターも弾きました。

レパートリーは例によって多彩で、歌唱、アレンジともに、なんともいえない品の良さと暖かみを感じさせます。それはステイシーが世界中を旅し、さまざまな人と交流する中で培われてきたものなのかもしれません。2010年リリースのアルバム『パリの朝』からのフランス語曲「Sait-on jamais ?」等をしっとりと聴かせた後、最新作からのナンバーが次々と披露されます。CDではブラジル出身の名プロデューサー/ギタリストであるホベルト・メネスカウ(ロベルト・メネスカル)をパートナーに迎え、主にギターとベースだけをバックにパフォーマンスしていましたが、ライヴ・ステージではピアノやドラムスも参加しているので、聴覚上の印象はかなり異なります。ニュー・アルバムと聴き比べると、さらにライヴが楽しめるのではないでしょうか。ディオンヌ・ワーウィックもブルーノート東京公演で歌ったことがある「Only Trust Your Heart」、ジョシュア・モリソンの軽妙なブラッシュ・ワークが光るアメリカのスタンダード・ソング「Tangerine」などが、アルバムとはまた違った魅力を放って耳に届きました。

後半はボサ・ノヴァを取り入れたナンバーが中心です。以前来日したとき、ステイシーは「14歳の頃にスタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトの共演盤『ゲッツ/ジルベルト』を聴いて以来、すっかりボサ・ノヴァに魅せられてしまった」と語っていましたが、彼女のボサ・ノヴァへの思いは高まる限りのようです。アメリカのミュージカル「南太平洋」からの「Happy Talk」を爽やかなボサ・ノヴァ・アレンジで聴かせ(ギターの弾き語り)、アントニオ・カルロス・ジョビンの「One Note Samba」、一緒に共演盤を残したマルコス・ヴァーリの「So Nice」等を歌い、会場を盛り上げます。

ぼくは初日のセカンド・セットに足を運びましたが、ファースト・セットにも足を運んだファンの話によると、レパートリーにはあまり重複がなかったとのこと。アルバム・デビューから約20年、英語・フランス語・ポルトガル語に堪能なステイシーだけに、持ち歌にも尋常ではない幅広さがあります。何が飛び出すか、わくわくしながらクラブに足を運んでいただけたらと思います。
(原田 2015 11.25)

SET LIST

2015 11.24 WED.
1st
1. THIS HAPPY MADNESS
2. PHOTOGRAPH
3. SO' DANCO SAMBA
4. THE VERY THOUGHT OF YOU
5. TANGERINE
6. L'ETANG
7. ONLY TRUST YOUR HEART
8. ONE NOTE SAMBA
9. THE CHANGING LIGHTS
10. THAT'S ALL
11. SAMBA SARAVAH
EC. ÁGUAS DE MARÇO
 
2nd
1. DOUBLE RAINBOW
2. THE ICE HOTEL
3. SAIT-ON JAMAIS
4. ONLY TRUST YOUR HEART
5. TANGERINE
6. MAIS UMA VEZ
7. HAPPY TALK
8. ONE NOTE SAMBA
9. THE CHANGING LIGHTS
10. I'VE GROWN ACCUSTOMED TO HIS FACE
11. SO NICE
12. SAMBA SARAVAH
EC. JARDIN D'HIVER

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