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VANESSA WILLIAMS

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


R&Bの躍動感、ブロードウェイ・ミュージカルのエレガンス、バラードのうるおい。

そのすべてが、彼女のステージにはあります。「ミス・アメリカ」に輝く美貌の歌姫、ヴァネッサ・ウィリアムスのショウです。彼女の姿をクラブ規模の会場で楽しめるのは、世界的にも希少なことです。4人のお子さんの母親とのことですが、スタイルの良さは相変わらず。歌声は一層輝かしく、1曲ごとに観客に語り掛けるように挿入されるMCも、オーディエンスとの距離を近いものにします。

キーボード奏者のリオ・コロンのMCに導かれ、青のドレスに身を包んだヴァネッサが登場します。ラテン調の「The Real Thing」、「Dreamin'」と快調なナンバーが続くのですが、バック・メンバーのプレイがまた、すごいのです。"ジャズを演奏しているわけではないのに、ジャズのスウィング感を妙に感じさせるなあ"と思ったら、ドラムスは重鎮JTルイスではないですか。ハービー・ハンコック、デヴィッド・マレイ、カサンドラ・ウィルソンなどを支えたオールラウンドな名手です。メトロノーム的にリズムを刻むというよりは、ヴォーカルの節回しや、ベースやギターのフレーズに反応してグルーヴを高めていく感じ。それがまたエキサイティングなのです。赤いドレスでヴァネッサと絶妙なコントラストをつけた、バック・コーラスのシェリー・トーマスとカーメン・ルビー・フロイドのハーモニーも絶品です。

途中では1920〜30年代のジャズ・ソングのカヴァーも聴くことができました。デューク・エリントンの「Creole Love Call」ではカーメンのスキャット(ワードレス・ヴォーカルといったほうがいいかもしれません)がフィーチャーされました。ぼくは2012年に彼女の出演する舞台「ポーギー&べス」をブロードウェイで見て、その豊かな歌声に圧倒されたのですが、まさか彼女のパフォーマンスを日本で体験できるとは思いませんでした。そしてヴァネッサはリナ・ホーンの当たり曲「Stormy Weather」等を歌い、シェリーとはデュオで「Losing My Mind」を歌い上げました。

もちろん映画「ポカホンタス」の主題歌「Colors Of The Wind」、全米ヒット・チャートの1位に輝いた「Save The Best For Last」等も、じっくり聴かせてくれました。ヴァネッサだけではなく、バック・コーラスも、バンド・メンバーも、全員が絶好調です。公演は15日まで行なわれた後、若干のブレイクをはさみ、19日から22日まで行なわれます。(16日から18日にかけてはマーク・キャリーとダニエル・クロフォードが競演しますが、これもJTルイスのリズム感がお好きなファンなら、必ず楽しんでもらえるであろうことをお約束します)。
(原田 2015 6.15)

●VANESSA WILLIAMS
2015 6.14 sun. - 15 mon., 19 fri. - 22 mon. ブルーノート東京
詳細はこちら
2015 6.17 wed. サンケイホールブリーゼ(大阪)
詳細はこちら

SET LIST

2015 6.14 SUN.
1st & 2nd
1. THE REAL THING
2. DREAMIN'
3. LOVE IS
4. COLORS OF THE WIND
5. SWEETEST DAYS
6. THE COMFORT ZONE
7. CONSTANTLY
8. CREOLE LOVE SONG
9. STORMY WEATHER
10. BILL
11. LOSING MY MIND
12. WORK TO DO
13. OH HOW THE YEARS GO BY
14. SAVE THE BEST FOR LAST
EC. BETCHA NEVER

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