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MIKE STERN BAND featuring VICTOR WOOTEN, BOB FRANCESCHINI & WILL CALHOUN @COTTON CLUB

artist MIKE STERN , VICTOR WOOTEN

REPORT

初の組み合わせによる火花散る熱いステージ

 熱い、熱かった! いや、つい先日までの関東地方の気候のことではない。昨日から始まったマイク・スターン公演のセカンド・セットのことだ。昨年の6月以来、約1年ぶりの来日だが、今回の目玉はなんと言ってもメンバーの組み合わせ。ベースは人気者ヴィクター・ウッテン。本国アメリカでは、かなり前からマイクのバンドで度々プレイしていて、なぜ日本には? と歯がゆい思いをしていたのが、遂に念願叶う。そして、ドラムはあのリヴィング・カラーのメンバーでも知られるウィル・カルホーンときたもんだ。しかもこのふたり、初めての顔合わせ。イコール、このリズム・コンビによるマイク・スターン・バンドも世界初......絶対に見逃せない。

 セカンド・セットは1曲目「Coupe De Ville」からスロットル全開。テーマは半音階を駆使したコンテンポラリーな趣だが、アドリブは一転してスタンダード・ナンバー「There is No Greater Love」のコード進行となり、マイク流ビ・バップ・フレーズが嵐のごとく炸裂。カルホーンのスピーディなソロも凄まじく、歴代のデニス・チェンバースやデイヴ・ウェックルなどとは違うドラミングで観客を大いに湧かせる。サックスのボブ・フランチェスチーニはマイクのバンドではお馴染みだが、今回は随所でハーモナイザーというエフェクターを駆使し、まるでサックス奏者がふたりいるようなプレイで場を盛り上げていて、耳目を引かれた。マイクのバンドは1曲目が長いことで有名だが、本セットもこの曲だけで約25分。のっけからノックアウト寸前の盛り上がりだ。

 セット中盤ではウッテンだけによるソロ・ベースも披露されたのだが、その信じられないテクニックは圧巻。ウッテンを初めて観る人はきっと度肝を抜かすに違いない。初日セカンドは他にもミディアム・スローの「KT」、美しいバラードの「「Wing and a Prayer」、マイクのギターから火が吹きそうだったヘヴィな8ビートの「Big Neighborhood」、疾走するドライヴ感満点の「Chatter」など、緩急が付けられた絶妙のステージング。この続きと詳細は、ぜひご自分の目と耳で体感していただきたい。コットン・クラブでは本日(土)も、ブルーノート東京公演は7日から8日まで。


text : 石沢功治(いしざわこうじ)
音楽ライター&ジャズ・アナリスト。音楽雑誌への寄稿やアルバムのライナー、ミュージシャンへのインタビューなどをこなす一方で、アルバムやアーティストのプレイ・スタイルを音楽的に検証・分析する仕事も数多く手掛けている。


photo by Y.Yoneda

●MIKE STERN BAND
featuring VICTOR WOOTEN, BOB FRANCESCHINI & WILL CALHOUN
2015 6.5 fri. - 6.6 sat. コットンクラブ
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2015 6.7 sun. - 6.8 mon. ブルーノート東京
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