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CARO EMERALD special guest act PUFFY @AKASAKA BLITZ

artist CARO EMERALD , PUFFY

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


オランダを代表するポップ・アイコン、カロ・エメラルドの公演が本日から「ブルーノート東京」で行なわれます。デビュー・アルバム『Deleted Scenes from the Cutting Room Floor』(2010年)が、同国のヒット・チャートで30週連続首位を記録。これはオランダではマイケル・ジャクソンの『スリラー』を超える売り上げなのだそうです。ぼくは昨日、「赤坂BLITZ」で開催されたステージを堪能してまいりました。

スペシャル・ゲスト・アクトは、来年に結成20周年を迎えるPUFFYです。全米で"PUFFY AmiYumi"という名で親しまれ、アニメのキャラクターになっていることもよく知られていることでしょう。この日はアヴリル・ラヴィーンが提供した英語曲「All Because Of You」や、初期の代表的ヒット「渚にまつわるエトセトラ」等を聴かせてくれました。

セッティング替えのあと、いよいよカロの登場です。バンド・メンバーがステージ上で演奏を開始し、やがてカロの歌声が耳に入ります。しかしスポットライトを浴びているのはギターのヴィーハー・ホーヘンドルプだけで、カロの姿は見えません。ワン・コーラスが半分ほど過ぎたところでホーン・セクションがファンファーレ風のフレーズを奏で、それをきっかけに、ようやくカロの姿に照明があたります。ピンクの上着(蛍光色)、白いスカートが目に飛び込んできます。

楽器編成はとてもユニークです。いわゆるドラマーはおらず、リモン・ヒューバートが打ち込みリズムにパーカッションでアクセントを加えます。モヒカン刈りのデヴィッド・テンプルはテナー・サックス、バリトン・サックス、クラリネット、サイド・ギターを忙しく兼任しました。ヴィーハーは、この日が誕生日だったそうです。「キャリアの初めの頃から、ずっと彼と共演できていることを誇りに思う」と、カロは語りました。

新曲「Quicksand」の披露、「日本のひとはフランスが大好きみたいね。街を歩いていると、いろんなフランス風のものを見るわ。私もフランスは大好きよ」という前置きで歌われた「Paris」と「Excuse My French」、1920年代のアメリカで流れていても不思議ではなさそうなディキシーランド~ホンキー・トンク風の「Dr.Wanna-Do」等、シンガーとバンドが一体となったパフォーマンスが続きます。代表曲のひとつ「That Man」では観客から合唱が巻き起こり、頭上ではミラーボールが回転して雰囲気を高めます。ラストは「11歳の頃、初めて人前で歌った曲」であるという「Dream A Little Dream Of Me」。ドリス・デイやエラ・フィッツジェラルドらが取り上げてきた古典を、しっとりと表現しました。

ノスタルジックなのにカッティング・エッジ。アンニュイなのにダンサブル。「ブルーノート東京」ではいったい、どんなサウンドで酔わせてくれることでしょうか。
(原田 2015 5.19)


Photo by Tsuneo Koga

SET LIST

2015 5.18 MON.
1. I BELONG TO YOU
2. TANGLED UP
3. RIVIERA LIFE
4. COMING BACK AS A MAN
5. QUICKSAND
6. DR. WANNA DO
7. BLACK VALENTINE
8. PARIS
9. EXCUSE MY FRENCH
10. JUST ONE DANCE
11. LIQUID LUNCH
12. HISTORY REPEATING
13. THAT MAN
14. STUCK
EC1. BACK IT UP
EC2. A NIGHT LIKE THIS
EC3. DREAM A LITTLE DREAM OF ME

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