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KENNY GARRETT QUINTET @COTTON CLUB

artist KENNY GARRETT

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


アート・ブレイキー、マイルス・デイヴィス、チック・コリア、パット・メセニー、マーカス・ミラー等、数えきれないほどのカリスマたちと共演を重ねてきたサックス奏者がケニー・ギャレットです。'80年代に頭角を現して以来、陽の当たる通りをいつも歩いてきた人気者。大の親日家としても知られています。ぼくは9日に「コットンクラブ」で行なわれたファースト・セットにお邪魔しました。

メンバーは前回の来日時同様、ヴァーネル・ブラウン(ピアノ)、コーコラン・ホルト(ベース)、マクレンティ・ハンター(ドラムス)、ルディ・バード(パーカッション)を迎えた5人編成。メンバー・チェンジがないということはすなわち、バンドの結束が強まっていることを意味します。数多くの有名バンド・リーダーの下で才能を磨いてきたギャレットだけに、サイドマンの選択にも抜群のセンスをみせます。ルディは'80年代に、マルグリュー・ミラーのバンド"ウィングスパン"でギャレットと一緒に活動した旧友ですが、彼の加入によってグループにはラテンやアフロ系の曲が増えました。

とはいっても基本は、'60~'70年代のモード・ジャズ(モダン・ジャズの一種)をより軽やかに、あく抜きしたような音作りが中心です。ジャズ・ミュージシャンとしてのギャレットのルーツも、このあたりのサウンドにあるのでしょう。曲によってはベースとドラムスだけをバックに演奏し、さらにベースが抜けてドラムスとのデュオ、そして無伴奏でアルト・サックスを吹きまくるシーンもありました。このあたりのパフォーマンスは、ギャレット史上に光り輝く超名盤『トリオロジー』(ぼくはこの作品を、ここ25年間に登場したジャズ・アルバムの最高峰に位置すると考えています)を彷彿とさせるものです。もちろんエンターテイナーでもある彼のことですから、決して硬派一本やりではなく、日本のファンへの特別なサービスなのでしょう、ピアノとのデュオで「翼をください」や「赤とんぼ」も聴かせてくれました。

かつてマルサリス兄弟やテレンス・ブランチャードらと共に新世代の代表と目された彼も、もう55歳。ネクスト・ステップを一層楽しみにさせるライヴでした。公演は11日まで「コットンクラブ」、13日に「ブルーノート東京」で行なわれます。
(原田 2015 4.9)


●KENNY GARRETT QUINTET
2015. 4.9 thu. - 4.11 sat. コットンクラブ
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2015 4.13 mon. ブルーノート東京
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Photo by Y.Yoneda

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