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MEHLIANA featuring Brad Mehldau & Mark Guiliana

artist BRAD MEHLDAU , MARK GUILIANA

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


最も来日が待ち望まれていたユニットのひとつが今、ライヴを繰り広げています。昨年、衝撃のファースト・アルバム『TAMING THE DRAGON』を発表したメリアナが遂に日本上陸中なのです。

メンバーはもちろん、押しも押されもせぬ現在進行形音楽シーンの要、ブラッド・メルドーとマーク・ジュリアナのご両人です。ブラッドは何度もアコースティック・トリオでブルーノート東京に出演したことがあり、マークも今から10年近く前、ベース奏者アヴィシャイ・コーエンのバンドでブルーノート東京のバンドスタンドに立っています。

ライヴは、下手(客席から向かって左)にブラッド、右手にマークという並びで行なわれました。開演前のBGMはなし。これがまた、パフォーマンスに対する期待を高めます。そして照明の光量も始終一定していました(ピンスポット等がなかった)。この場合は、それが見事に奏功していたと思います。ぼくは両目を動かしながら、あるときはブラッドの指先、あるときは彼の使っている機材、あるときはマークのスティックさばきに視点をあわせたりと、自分の目をまるでテレビカメラのように駆使し、心の中でズーミングしながら演奏シーンを存分に見聴きしました。

ブラッドの楽器は、"司"という漢字の端っこの、90度の角のようにセッティングされています。アコースティック・ピアノ(音色は加工されています)とフェンダー・ローズをメインに、さらに2台の小型キーボードを使います。客席にはほとんど背中を向けっぱなしなのですが、このアングルが逆に彼がいかに素早く両腕を動かして各楽器に移行しているか、10本の指をいかに信じられないほど柔らかな動きを見せているか等を強く浮かび上がらせます。ほとんど椅子に座らず、中腰で複数のキーボードを同時に奏でる場面がとても多かったのも印象的でした。マークも今や彼のトレードマークといえる大き目のバスドラを小気味よく踏みながら、ほぼ均等に並べられた6枚のシンバルを打ち鳴らし、スネアやリム(タムの縁)で信じられないほど細かなアクセントを送り込みます。ブラッドが左手で弾くベース・ラインが強力ということもあって、ステージには二人しかいないというのに、ぼくは何度も「本当に二人で演奏しているのか?」と信じられない気持ちになりました。

MCは30分過ぎに一度と、ラストに短い挨拶があったのみ。ほぼノンストップのライヴには、ひきずりこまれるような魔力がありました。ぼくが見た初日のステージではブラッドがAC/DCのTシャツを着ていましたが、今日はどんな装いで登場するのでしょうか? メリアナ、抜群です。
(原田 2015 3.13)

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