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GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND

artist GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


最高のテクニックとエンタテインメント性を兼ね備えた凄腕集団、ゴードン・グッドウィン率いるビッグ・ファット・バンドが"日本のホームグラウンド"であるブルーノート東京に戻ってきてくれました。今回が通算7回目の登場。我が国のファンと彼らの相思相愛は強まるいっぽうです。

去る日曜日には浜松で演奏してきたばかりですが、ブルーノート東京でも初日ファースト・セットから圧倒的なプレイでファンを魅了します。バーニー・ドレセルはスネア・ドラムを客席に70度ぐらい向けた独特のセッティングで、レギュラー・グリップひとすじの超絶ドラミングを繰り広げます。これまで必ずといっていいほど参加していたエリック・マリエンサルの不在も、ケヴィン・ギャレン、サル・ロザーノ、ブライアン・スキャンロンらの充実したプレイが見事に補います。

曲はもちろんゴードンの書き下ろしが中心ですが、間にはビッグ・ファット・バンドにグラミー賞をもたらしたジョージ・ガーシュウィン作「Rhapsody In Blue」のカヴァーも取り上げられました。奇しくもこの曲、先日の「東京JAZZ」で、小曽根真のノー・ネーム・ホーシズが演奏したばかりです。"今、「Rhapsody In Blue」を題材にすることがトレンドなのかもしれない"と思いながら、ぼくはビッグ・ファット・バンドなりの解釈を大いに楽しみました。

いつも目の覚めるような吹奏を聴かせてくれるウェイン・バージェロンは、今回もトランペット・セクションを引き締めるとともに、驚嘆のブロウで会場を沸かせました。「Years Of Therapy」は、まさに彼の離れ業にスポットを当てた1曲。前半ではピッコロ・トランペット(ヴァルヴが4つある)を用いてすさまじいタンギングでバッハ風のメロディを演奏、その後4ビートになってからは通常のトランペットに持ち替えて、輝きに満ちたアドリブを展開します。そしてラストは、顔を真っ赤にしてのハイノート(超高音)。トランペットのすべてがこの曲にこめられていた、といっても過言ではないほどの大熱演でした。

メンバーすべてが、アメリカ西海岸音楽シーンの重鎮。たとえばギターのアンドリュー・シノウィックは「アナと雪の女王」のサウンド・トラックに参加、サル・ロザーノは「美女と野獣」のサウンド・トラックや、人気テレビ番組「アメリカン・アイドル」のバック・バンドでも演奏してきました。アメリカの強く、豊かで、華やかな一面をジャズにのせて送り届けるビッグ・ファット・バンドのパフォーマンスを、心ゆくまで味わってください。
(原田 2014 10.29)

SET LIST

2014 10.28 TUE.
1st
1. WHY WE CAN'T HAVE NICE THINGS
2. LIFE IN THE BUBBLE
3. RHAPSODY IN BLUE
4. GARAJE GATO
5. THE QUIET CORNER
6. YEARS OF THERAPY
7. SYNOLICKS
8. RACE TO THE BRIDGE
EC. THE JAZZ POLICE
 
2nd
1. SING, SANG, SUNG
2. COUNT BUBBA
3. LIFE IN THE BUBBLE
4. IT'S NOT POLITE TO POINT
5. HUNTING WABBITS
6. BACKROW POLITICS
7. CHEROKEE
EC. A FEW GOOD MEN

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