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CHIHIRO YAMANAKA NEW YORK QUINTET / Tour 2014 Fall "Somethin' Blue"

artist CHIHIRO YAMANAKA , KENDRICK SCOTT

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


人気ピアニスト、山中千尋が最新作『サムシン・ブルー』を携えて来日中です。共演メンバーはベニー・ベナック(トランペット)、ジャリール・ショウ(アルト・サックス)、ヨシ・ワキ(ベース)、ケンドリック・スコット(ドラムス)。気心の知れたニューヨークの仲間たちとの、楽しくもスリリングな演奏を満喫することができました。

いわゆるピアノ・トリオで演奏するイメージが強い彼女だけに、2管クインテットをリードしていく姿は新鮮です。オープニングはデビュー・アルバムのタイトル曲であった「Living Without Friday」。アップ・テンポの4ビートにのって、全員のソロがフィーチャーされます。ベナックは、2011年にウィントン・マルサリスに「次の世代のジャズ・グレイツになるであろうひとり」と称賛された注目株。まだ少年の面影を残していますが、野太い低音から張り裂けるような高音まで自在に吹きまくる実力は超一級といっていいでしょう。

『サムシング・ブルー』はまた、名門ブルーノート・レコードの設立75年を記念した作品でもあります。今回は、数多いブルーノート・ソングブックからハービー・ハンコック作「I Have A Dream」とバド・パウエル作「Un Poco Loco」がカヴァーされました。前者ではジャリールがフルートとアルト・サックスを使いわけ、後者ではケンドリックが多彩なビートでバンドに更なる勢いを与えていきます。パウエルの自作自演はピアノ・トリオ編成でアドリブ部分はワン・コードでしたが、山中千尋の解釈はショーティ・ロジャース(トランペット奏者)のヴァージョンを思わせるもので、アドリブ部分もショーティのそれと同じくテーマ部分のコード進行に沿ったものでした。

アルバムからはさらに、フランスの都市に捧げた「Orleans」、母親とメキシコ旅行中にメロディが浮かんだという「On the Shore」、インド人が経営するモーテルで書いた「Somethin' Blue」、ポップでダンサブルな「Go Go Go」が披露されました。グリッサンドを取り入れながら観客を盛り上げる山中、'60年代ブルーノートのハウス・ドラマーのひとりであったビリー・ヒギンズを思わせるシンバル・レガートを聴かせたケンドリック(彼のグループ"オラクル"のときとは一味違うプレイです)に、オーディエンスは大いに沸きました。
(原田 2014 9.27)

SET LIST

2014 9.26 FRI.
1st
1. LIVING WITHOUT FRIDAY
2. ORLEANS
3. I HAVE A DREAM
4. ON THE SHORE
5. SOMETHIN' BLUE
6. UN POCO LOCO
EC. GO GO GO
 
2nd
1. LIVING WITHOUT FRIDAY
2. FUNICULI FUNICULA
3. PINHOLE CAMERA
4. FOR REAL
5. SOMETHIN' BLUE
6. YAGIBUSHI
EC1. GO GO GO
EC2. SOMETHIN' BLUE (REPRISE)

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