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PAT MARTINO TRIO @Cotton Club

artist PAT MARTINO

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


このところの「ブルーノート東京」は、まるでギター・フェスティバルです。ジョン・マクラフリンがオーディエンスをノックアウトしたばかりだというのに、本日からリー・リトナーの公演が始まり(29日には渡辺香津美も参加)、30日にはパット・マルティーノが登場します。ぼくはそれを待ちきれず、ただいま「コットン・クラブ」で開催中のステージを見てきました。

思いっきり昔の話になりますが、20年ほど前までマルティーノは"幻の巨匠"でした。新宿のジャズ・クラブに登場するスケジュールも出ていたのに直前で中止となり、その1年後だったか2年後だったかに渋谷のロック系ライヴハウスでついに日本初ライヴが開催されました。「目の前で、あのマルティーノが演奏している」という事実が、なかなか信じられなかったことを思い出します。以来、マルティーノは何度もこの国を訪れ、親日家の仲間入りを果たしました。"幻の巨匠"が、"身近な巨匠"になったのです。

ステージの両脇にはふたりの気鋭、パット・ビアンキ(オルガン)、カーメン・イントーレ(ドラムス)がいます。そしてマルティーノは中央に座り、ほぼ不動のまま、指先だけをめまぐるしく動かします。あの「マシンガン奏法」は、一切の無駄を排したアクションから生まれているのです。レパートリーは、いわゆるモダン・ジャズ名曲集というべきもので、ウェイン・ショーターの「Footprints」、ウェス・モンゴメリーの「Full House」、ソニー・ロリンズの「Oleo」などが次々とプレイされました。といっても単なるカヴァー・ヴァージョンではなく、どの曲にもハーモニーやコード(和音)の工夫がこらされており、完全に"パット・マルティーノのオリジナル解釈"として成立しておりました。テンションの高いパフォーマンスが続く中、高まる熱気をクールダウンさせるように、甘く優しく演奏されたイヴァン・リンスの「The Island」も絶品でした。「ブルーノート東京」には30日に登場します。お見逃しなく。
(原田 2014 3.28)


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●PAT MARTINO TRIO

コットンクラブ公演
2014 3.26 wed. - 3.28 fri.
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