LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


TANIA MARIA

artist TANIA MARIA

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


幅広い音楽性と太陽のように明るいキャラクターで、ブラジル音楽ファン、ジャズ・ファン、クラブ・ミュージック・ファンなど多数のリスナーから熱い支持を得るタニア・マリア。約3年ぶり、待望の来日公演がいま、開催されています。ステージにあがったタニアは、まず「ロング・タイム・ノー・シー。また日本に戻ってこれて嬉しい」と挨拶し、その後ほぼノンストップで名曲の数々を披露しました。

事前に献立を決めず、その場の空気やオーディエンスの反応でプログラムを組み立てていくのがタニアのスタイルです。しかしベースのマーク・ベルトー、ドラムスのユベール・コラウは長くタニアとレギュラー活動を続けているだけあって、彼女がピアノで提示する1、2音を聴いただけで、即座にバックをつけていきます。マークとユベールのコンビネーションが盛り上れば盛り上がるほど、タニアのプレイも熱を増します。得意技であるピアノとスキャットのユニゾンは、もちろん健在です。彼女が故郷ブラジルからヨーロッパへと飛び立ち、次々とアルバムを発表し始めたのは1970年代初頭のことだったと思います。それから40何年が経っているわけですが、舞台上のタニアは、まさしく年齢不詳です。

アントニオ・カルロス・ジョビンの「Agua de Beber」も、キューバ生まれのラテン・ナンバー「Besame Mucho」も、見事タニア流に生まれ変わります。クラシック・ピアノの豊かな素養を感じさせるハーモニーと、打楽器のように歯切れよいタッチが一体化します。ユベールのマーチ風ドラムで始まったナンバーは、「Mas que Nada」。この日のタニアはカヴァー曲が多かったような気がしますが、アレンジの仕方は本当にワン&オンリーです。曲の後半ではタニアの"歌唱指導"のあと、客席と一緒に合唱するシーンも見られました。

そしてラストは、'80年代の代表作「Funky Tambourine」。「Come with Me」と同じく、全米にタニアの名声を轟かせたナンバーといっていいでしょう。レコードに入っているヴァージョンは、時代を反映するかのようなフュージョン調ですが、この日のタニアはよりハードに、タフに「Funky Tambourine」をパフォーマンスしてくれました。数々の名盤を残してきたタニアですが、いまこのときの彼女はライヴでしか味わえません。公演は明日まで続きます。ぜひお越しください!
(原田 2014 2.24)

SET LIST

2014 2.23 SUN.
1st
1. ESSENTIAL
2. ÁGUA DE BEBER
3. BÉSAME MUCHO
4. VEM P'RA RODA
5. INTIMIDADE
6. AMEI DEMAIS
7. TA TUDO CERTO~MAS QUE NADA
8. FUNKY TAMBORIM
 
2nd
1. BOM BOM BOM TCHI TCHI TCHI
2. É' TÃO GOSTOSO SEU MOCO
3. T.F.S.
4. DIGADUM-DUM (PAPAI S'EMBALA)
5. IT'S ONLY LOVE
6. CORAÇÃO NEGRO
7. COME WITH ME

INDEX