LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


THE BAD PLUS with KURT ROSENWINKEL @Cotton Club

artist KURT ROSENWINKEL , THE BAD PLUS

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


11月19日から「ブルーノート東京」でザ・バッド・プラスとカート・ローゼンウィンケルの共演が行なわれます。ぼくはそれに先立ち、11月16日に「コットンクラブ」で開催された公演を見てきました(本日17日も、「コットンクラブ」に出演します)。

リード・アンダーソン(ベース)、イーサン・アイヴァーソン(ピアノ)、デヴィッド・キング(ドラムス)の3人が集まってザ・バッド・プラスが結成されたのは2000年頃だったと思います。スペインのフレッシュ・サウンド・ニュー・タレントというレーベルからデビュー作が出たのは確か2001年、ぼくは「面白いサウンドだな」と思いながら、すぐさまディスク・レビューを当時務めていたジャズ雑誌に書きました。そういえばカート・ローゼンウィンケルのファースト・アルバムもフレッシュ・サウンド・ニュー・タレントから出ていましたね。

「3人ですべてが表現できるから、ゲストのことは考えていないよ。もっともオーネット・コールマンと共演できるなら別だけどね」と言っていたザ・バッド・プラスに変化が出てきたのは、女性ヴォーカリストを迎えた2008年のアルバム『フォー・オール・アイ・ケア』あたりからでしょうか。カートとも同じ頃からたびたび共演ライヴを繰り返し、同年にニューヨークで行なわれたJVCジャズ・フェスティバル(今はありません)にも、The Bad Plus 1 Featuring Kurt Rosenwinkel名義で登場しています。

「どんなステージ構成になるのだろう? 前半を3人だけで演奏して、後半にカートが加わるのだろうか」など、あれこれ予測しながらぼくは「コットンクラブ」に向かいました。しかし予想は快く裏切られました。最初から最後まで、4人によるパフォーマンスです。カートはギター・アンプをバンドスタンドにおかず、PAシステムに直結して演奏します。イーサンはスーツにネクタイ、他のふたりはカジュアルな服装というザ・バッド・プラス独特のファッション・センスも健在です。MCはリードが一貫して担当し、デヴィッドはスティック、ブラッシュ、マレット、指、チェーン、中に鈴が入ったゴムマリ(?)などを使い分けて多彩なサウンドを生み出しました。

演目はメンバーの自作ばかり。思えばザ・バッド・プラスが「ロック・ナンバーをピアノ・トリオで再構築して」話題を呼んだのは、もう10年近く前の話です。彼らは確実に新たなフェイズに突入しています。16日の公演では、ファースト・セットとセカンド・セットの曲目の重複はほとんどなかったとのこと。どんなレパートリーを聴かせてくれるのか楽しみにして、ぜひライヴ会場に駆けつけていただきたいと思います。
(原田 2013 11.17)

SET LIST

coming soon

INDEX