原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

世界一有名な音楽一家"ジャクソン・ファミリー"で今、もっとも精力的に音楽活動を繰り広げているティト・ジャクソン。シンガー、ギタリスト、エンターテイナーとして熟成を重ねる彼が今年もハッピーなステージを繰り広げています。

「ロックの殿堂に輝いた男、ワン＆オンリー、ティト・ジャクソン！」というMCに導かれ、ティトは登場しました。彼の「ブルーノート東京」公演は、もう恒例といっていいでしょう。もちろんジャクソン５～ジャクソンズ時代の大ヒット曲は必ず聴かせてくれますが、毎年毎年、プログラムには変更が加えられています。今回は"ジャクソン・ファミリーの曲をとりあげる"というコーナーが新たに加えられていました。マイケルの「Billie Jean」やジャネットの「All For You」をティトや、女性シンガーのニコール・ジャクソンが歌い、客席を盛り上げるのです。マイケルもジャネットもカリスマ的な大スターです。マイケルは亡くなったことで"聖域"に入った印象すら受けます。しかしティトにとっては、いまも彼らはかわいい弟であり、妹なのでしょう。

もちろんティトのギター・プレイも、満喫することができました。ギター・カッティングが命といえるマイケルの代表曲「Black Or White」を颯爽と弾きこなし、ルイ・ジョーダンのR&Bナンバー「Caldonia」はスカ風のアレンジで聴かせてくれました。来月、60歳を迎えるティトですが、"俺がジャクソン・ファミリーのレガシーを伝えていく"的姿勢は、毎年どんどん強まっているような印象を受けます。公演は28日まで続きます。

(原田 2013 9.26）