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CASSANDRA WILSON

artist CASSANDRA WILSON

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


"女王"カサンドラ・ウィルソンが、約5年ぶりに「ブルーノート東京」へ戻ってきました。昨日から圧巻のステージが行なわれています。
いつも最高のメンバーと共演しているカサンドラですが、今回のラインナップも"超"がつくほど豪華。歌も演奏も、すべてが満足できるステージです。メンバーを紹介しましょう。

グレゴア・マレ(ハーモニカ) 本公演の音楽監督。パット・メセニー・グループやマーカス・ミラーのバンドで活躍

チャールズ・バーンハム(ヴァイオリン、マンドリン) ジェームズ・ブラッド・ウルマーのバンドで頭角を現し、ストリング・トリオ・オブ・ニューヨークにも在籍。"メデスキ、マーティン&ウッド"とも共演

ブランドン・ロス(ギター) 数々のソロ・アルバムやキップ・ハンラハンとの公演でもおなじみ。シンガーとしても知られるが、今回はギターに専念
ロニー・プラキシコ(ベース) アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズではテレンス・ブランチャードやマルグリュー・ミラー(惜しくも先日、逝去)と同僚。カサンドラとの交流も約30年に及ぶ

ミノ・シネル(パーカッション) プログレッシヴ・ロック・バンド"ゴング"や前衛シャンソン歌手コレット・マニーとの共演を経て渡米し、マイルス・デイヴィスのバンドやウェザー・リポートで活躍。スティングからも絶大な信頼を得る

こうしたメンバーがカサンドラの一声で集まり、一体となって歌を引き立てるのです。そして、極上の"音のじゅうたん"にのって歌う彼女の楽しそうなこと! ときに手拍子やダンスを交えながら、地声とファルセットをおりまぜて、ジャズ~ブルース~フォーク~ワールド・ミュージックを横断するようなサウンドを繰り広げます。

カサンドラの優しく深みのあるヴォーカルに、チャールズのちょっとかすれ気味でソウルフルなヴァイオリンの音色が絡み(ステファン・グラッペリやジャン・ルック・ポンティなどヨーロッパの奏者とはまったく違う味です)、ミノのコンガやトライアングルやシンバルがそれを装飾します。キーボードやドラムスを入れないことで音の隙間が多めになると同時に、各楽器の細かなニュアンスが浮かび上がってくる・・・といえばいいでしょうか。とくにミノの両手両足を駆使したプレイは「神技」と呼ぶにふさわしいものです。

演目はカサンドラの要望により非公開とさせていただきますが、ぼくが見た回ではビートルズ・ナンバーや、エレクトリック・ギターの弾き語りも聴かせてくれました。デビューから一貫して"旬"の状態にあるカサンドラ。今の彼女はさらにコクを増し、光り輝いています。
(原田 2013 5.31)

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