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DAVID SANBORN

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公演初日リポート:DAVID SANBORN



デヴィッド・サンボーンがブルーノート東京に帰ってきました。出演日程が発表されると同時に電話予約が殺到したことはいうまでもありませんが、「やっぱりサンボーンはブルーノートでなくちゃ」というファンからの声がずいぶんあったとのことです。ぼくは初日のファースト・セットを聴きましたが、そのMCでサンボーンはこう言いました。「僕のフェイヴァリット、ブルーノート東京に戻って来れて嬉しいよ。とにかく素晴らしい場所で、料理もベストだ。僕はここのシェフを、最高峰のアーティストだと思っているんだよ」。

今回のバンド・メンバーは、名コンビとなって久しいジョーイ・デフランセスコ(オルガン)、そしてバイロン・ランドハム(ドラムス)。バイロンは日本ではまだそれほど知られていませんが、ジョーイとは20年ものつきあいを誇り、ほかにもピアニストのオリン・エヴァンス、ギタリストのラッセル・マローン、歌手の故ベティ・カーターらとの共演歴があります。スイング、ファンク、シャッフル、なんでもござれの凄腕ドラマーです。

オープニングの「COMIN’ HOME BABY」から、3人は乗りに乗っています。勝手知ったるクラブで演奏することが気持ちにもいい影響を与えているのでしょう、サンボーンの表情から笑顔がこぼれます。

レイ・チャールズに捧げた「BROTHER RAY」は3連のリズムを生かしたナンバー。ジョーイはオルガンを弾きながら、マイルス・デイヴィスにプレゼントされたという青いトランペットを吹きます(ジョーイは一時期、マイルス・バンドの一員でした)。通常、オルガン奏者は左手でベース・ラインを弾きます。しかしジョーイは右手でトランペットのヴァルヴを押さえ、左手でそれと同じフレーズをユニゾンで弾き、ベース・ラインを左足に任せ、右足のペダルでオルガンの音量コントロールをするという離れ業を聴かせてくれました。

サンボーンが演奏していない箇所は当然ながら、ジョーイとバイロンのデュオになります。しかしこの厚みのある音を聴いて、たった二人だけで演奏していると即座に判断できるひとがどのくらいいるでしょうか。「ああ、ここまで豊かなサウンドを出せるのならギターもベースもキーボードもパーカッションもいらないや」と、ぼくは彼らの演奏を聴いて改めて思いました。

ジョーイはさらに、「LET THE GOOD TIMES ROLL」でリード・ヴォーカルを披露。サンボーンもバック・コーラスを務め、クラブのブルース&ソウル度はさらに上昇します。そして極め付きは、「日本のファンのために特別に演奏するよ」という前置きの後にプレイされた「GEORGIA ON MY MIND」。かつてサンボーンが出演した缶コーヒーのTVコマーシャルでプレイされた曲ですね。3人のソウルマンが織り成す熱いグルーヴに心からスカッとさせられました。公演は4日まで続きます。
(原田 2011 12.1)




●2011 12.1thu.-12.4sun.
DAVID SANBORN
デヴィッド・サンボーン
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サンボーン - david sanborn

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