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MARCOS VALLE @ COTTON CLUB

artist MARCOS VALLE

REPORT


マルコス・ヴァーリ-MARCOS VALLE



- report : MARCOS VALLE @ COTTON CLUB

本日から「ブルーノート東京」にブラジルの涼風が吹きます。マルコス・ヴァーリ・ウィズ・ロベルト・メネスカルの公演がおこなわれるのです。昨日は「コットンクラブ」に登場し、予想通り息のあったプレイを満喫させてくれました二人だけに、「ブルーノート東京」における演奏も思いっきり盛り上がることでしょう。ここでは「コットンクラブ」公演をレポートさせていただきます。

ステージはまず、マルコスのパフォーマンスから開始されました。不滅の定番「SUMMER SAMBA」が、すっかりジャジーなアレンジになって登場します。ここで観客は、いきなりアンコールのような盛り上がりです。昨年の「ブルーノート」公演ではキーボードの他にギターも聴かせてくれましたが、今回はロベルトに敬意を表してか、ギターを弾きませんでした。しかしその分、あの特徴のあるフェンダー・ローズ(エレクトリック・ピアノの一種)による弾き語りがたっぷりフィーチャーされました。昨年はトランペット奏者がフロントに加わっていましたが、今年はサックス奏者ゼ・カヌート(ガル・コスタとの共演でも知られるベテラン)の味わい深いソロが彩りを添えていました。

パトリシア・アルヴィをフィーチャーした2曲のあと、いよいよホベルト・メネスカルの登場です。マルコスはMCでこう言っておりました。「僕はボサ・ノヴァ第二世代だけど、ホベルトは第1世代。昔からずっと僕のアイドルで、グッド・フレンドだよ」。

白いエレクトリック・ギターを持ったホベルトが弦をつまびくと、「O BARQUINHO(小舟)」が始まります。指弾きによるギターの音色と、潤いのあるフェンダー・ローズの響きが見事に調和します。マルコスもホベルトも微笑をたたえながら淡々と演奏するのですが、実は相当に高度なテクニックを駆使したプレイを軽々としています(ホベルトの左手の動きは、おいそれと真似できないような気がします)。技巧的なことをシンプルに表現する彼らは本当にプロ中のプロだなあと、ぼくは改めて感銘を受けました。

文中ではあえて触れませんでしたが、ここで触れた曲のほかに、あの有名なメロディーも、この定番も、あの隠れ名曲もたっぷりとりあげてくれました。ぜひクラブに赴いて、マルコスとホベルトがおくる“自作自演の世界”に酔いしれていただければと思います。
(原田 2010/5/24)

● 5.25tue.-5.28fri.
MARCOS VALLE with ROBERTO MENESCAL
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〜・〜プロフィール・原田和典 〜・〜
1970年生まれ。ジャズ誌編集長を経て、2005年ソロ活動を開始。
著書に『原田和典のJAZZ徒然草 地の巻』(プリズム)
『新・コルトレーンを聴け!』(ゴマ文庫)、
『世界最高のジャズ』(光文社新書)、
『清志郎を聴こうぜ!』(主婦と生活社)等。
共著に『猫ジャケ』(ミュージックマガジン)、
監修に『ジャズ・サックス・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック・エンターテイメント)。好物は温泉、散歩、猫。

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