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クレモンティーヌ-CLEMENTINE



原田和典の公演初日レポート:CLEMENTINE



フランスの歌姫、クレモンティーヌさんの公演が始まりました。

僕は初めて彼女の歌を聴いたのは1980年代の半ばだったと記憶します。FM放送でアルバム『コンティノン・ブリュー』からの曲を耳にして、“フランス語でジャズを歌う、渋い新人が出てきたな”と思ったものです。そうです、デビューしたてのクレモンティーヌは、ストイックとすらいえるジャズ・シンガーでした。それに当時の日本では、フランス語の歌は現在ほどポピュラーではなかった気がします(シャンソンは別として)。

しかし今は、TVコマーシャルひとつとってもフランス語の歌がごく当たり前に聴こえてくる世の中です。クレモンティーヌも活動を続けるうちに、領域をどんどん広げていきました。いわゆるJ-POP系ミュージシャンとのコラボレーションを始め、ボサ・ノヴァへの取り組み、シャンソンの再解釈などなど、そのすべてを彼女は、あの一度聴いたら忘れられないウィスパー・ヴォイスで鮮やかにこなしてきました。最近はNHK教育テレビのフランス語講座でもおなじみですね。

いまやクレモンティーヌは日本のファンに最も親しまれているフレンチ・アーティストのひとりです。彼女の歌を聴いて、自分とフランスとの距離が一気に狭くなったという方は、ぼくのほかにもたくさんいらっしゃるはずです。

この日のライヴも、“フランス大使”クレモンティーヌの魅力満開でした。ボサ・ノヴァ調にリメイクされた「ラ・メール」、ジャジーな「枯葉」、8ビートの「バラ色の人生」、流暢な日本語MCに続いて歌われた「サン・トワ・マミー」、合唱が巻き起こった「オー・シャンゼリゼ」・・・・。フランスの曲っていいなあ、心ときめくなあ、と、ぼくは改めて、その響きに酔いしれるのでした。ライヴ中盤では「クレモンティーヌのフランス語講座」というコーナーも飛び出して、選ばれたオーディエンスがステージで彼女にフランス語の特訓(!?)を受けるという場面もありました。

かと思えばマイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」や中島みゆきの「悪女」をカヴァーしたり、槙原敬之やゴンチチの提供曲を歌ったり。エンターテイナー=クレモンティーヌの多彩な輝きが、ひとつのプログラムにギュッと凝縮されている。この日のステージに接して、ぼくはそんな印象を持ちました。

もちろんバック・バンドも極上です。なかでもぼくはピアノ&フェンダー・ローズのローラン・ジ・オリヴェイラ、ジョー・ザヴィヌルと来日したことのあるジョルジ・ベゼーラのパーカッションに惹かれました。クレモンティーヌのウィスパー・ヴォイスを巧みに引き立てる彼らの熟練の技に乾杯です。

公演開催中には、彼女の新作にちなんで“ショコラ・エ・スイーツ2009”というデザートプレートも用意されております。ショコラをふんだんに取り入れたデザートを味わいながら、甘くスタイリッシュな音楽に浸ると、どこからかパリのそよ風が吹いてくるような・・・・
(原田 2009/7/22)

7/22 wed. - 7/25 sat.
CLEMENTINE
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