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CHRISTIAN SCOTT

artist CHRISTIAN SCOTT

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クリスチャン・スコットが自身のグループで遂に来日しました。

過去「ブルーノート東京」にはソウライヴのホーン・セクションとして出演していますし、マッコイ・タイナー・トリオのゲストとして登場したこともあります。この2バンドと共演し、存在感をアピールしたというだけでも、クリスチャンの幅広い適応力がわかろうというものです。
が、今回は、自身のグループでの上陸です。「自分の音楽をやりに」、来たのです。

これまでの来日では、ひとりのトランペット奏者に徹してベストを尽くせばよかった。しかし今回はトランペッターとしてはもちろん、バンド・リーダー、作曲家、編曲家、音楽監督として体を張らねばならないのです。
楽屋からステージに向かう途中、クリスチャンは何度も武者震いしたのではないでしょうか。
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演奏は、‘迫真’という言葉がふさわしいものでした。
いわゆる、テーマ→アドリブ→テーマという展開ではありません。ドラムスが一定のリズムを刻み、そのうえでソリストがアドリブをとる、というものでもありません。演奏の様相が刻々と変化しているのにもかかわらず妙なる統一感があり、時おり曲やメンバーの紹介はあるものの、ワン・セットがひとつの組曲になっているように感じられました。

ものすごい気合いです。メンバーの誰もが全身全霊をこめて、音楽に立ち向かっています。最初から最後まで徹底してガチでぶつかってきます。彼らのプレイに没頭しているうちに、ぼくは、思いっきりおなかがすきました。エネルギーにあふれる音楽は、聴く側にもエネルギーを求めます。これからクリスチャンのライヴを体験される方は、余裕を持って早めにご来店して腹ごしらえされることをお勧めいたします。

とにもかくにもぜひ実際のステージを接していただきたい、ぼくの願いはそれに尽きるのですが(あと2日あります)、まさしく今を進行するジャズをクリスチャン・スコットは聴かせてくれました。こういう音が日本で味わえて、しかも多くのリスナーから拍手を浴びているという事実に触れて、ぼくは思わず心の中でガッツポーズをとりました。


ところでクリスチャンは2008年夏、「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」に自身のグループで出演しています。1958年、このジャズ祭で若きマイルス・デイヴィスが演奏しました。それから半世紀経ったことを記念して、主催者側はクリスチャンにマイルスにちなんだ曲を演奏してはどうかと提案したそうです。しかしクリスチャンはこれを断り、「最新の自分の音楽」を展開しました。それこそが、常に未来を追い求めていた帝王マイルスへの最高の献花である、といわんばかりに。
久しぶりにジャズ界に鼻っ柱の強いやつが現れた、お前なかなかいいぜ、とマイルスも天国でニヤリとしているのではないでしょうか。
(原田 2009/1/31)
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