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[インタビュー|MY INSTRUMENT]ティル・ブレナー

[インタビュー|MY INSTRUMENT]ティル・ブレナー

ティル・ブレナーのフリューゲルホーン

 トランペットとフリューゲルホーンを吹き分けるジャズマンは多く、ティルもそのひとり。20枚近くのリーダー作を発表し、映画音楽も手がける才人の愛器とは?

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 昨年の12月、"Better Than Christmas"と銘打ったツアーで来日した、ドイツ人ジャズ・トランペッター兼シンガーのティル・ブレナー。オーケストラやコーラスをフィーチャーした華麗な『ザ・クリスマス・アルバム』を発表しているティルだが、今回の公演では「きよしこの夜」をサンバ風にアレンジするなど、バンドの演奏能力と自由な雰囲気を存分に生かしたステージを展開した。

 楽器はパワフルかつ俊敏なトランペットと暖かく包み込むようなサウンドのフリューゲルホーンを曲調に応じて持ち替え、それぞれの特徴を見事に生かす演奏を聴かせてくれた。今回は愛用のフリューゲルホーンについて話してくれたティル。ちなみにトランペットは現在、新しいシグネチャー・モデルを開発中だそうだ。

「これはヤマハのZモデル(銀メッキ仕上げのYFH-8310ZS)で、偶然にも僕の先生でもあるボビー・シューが開発に協力しているんだ。ただし、3番目のバルブに重りを付けてカスタマイズしてある。これがあると、高音域でもピッチが安定して、全音域で均一な演奏性が得られるんだ。マウスピースについては、ホーンと同じメーカーのものがおススメ。シャンクとレシーバーが完璧にマッチするからね。あと、強く吹いた時に唇がカップの内側に触れないように、浅すぎるものは避けたほうがいいよ」

 ティルはポップなテイストの音楽ばかりでなく、デュオによるフリー・インプロヴィゼーションにも積極的に取り組んでいる。

「決めごとなしで相手と一対一で音の会話をするのは、良い刺激になる。バンドに戻ってアレンジする時に、すごくインスピレーションが湧くよ」

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エフェクターはLine6のM9で、さり気ないながらも効果的にかけていた。右はShureのワイヤレス・レシーバー。
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マウスピースはヤマハのFH-17F4だが、リムはブルーノ・ティルツ製のMB1のものが付いている。

Photography = Takashi Yashima
Interview & text = Akira Sakamoto
Cooperation = Rittor Music

TILL BRÖNNER(ティル・ブレナー)
71年ドイツ、フィールゼン生まれ。ラジオでルイ・アームストロングを聴いて歌とトランペットに興味を持ち、ケルン音楽大学でジャズを学ぶ。93年の初リーダー作以来、様々な趣向の作品を次々と発表し続けている。
坂本 信(さかもと・あきら)
札幌市出身。レコード会社や音楽出版社、楽器メーカーの翻訳、数百人のアーティストの取材や通訳を務める。ベーシストとしては高崎晃、伊東たけし、マイク・オーランドなどと共演。

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