キザイア・ジョーンズ、ブルーファンクを生み出す "Rugged"なエレアコ・ギター | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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キザイア・ジョーンズ、ブルーファンクを生み出す "Rugged"なエレアコ・ギター

キザイア・ジョーンズ、ブルーファンクを生み出す "Rugged"なエレアコ・ギター

ブルーファンクを生み出す
"Rugged"なエレアコ・ギター

切れ味の鋭いギター・プレイで"ブルーファンク"なる音楽を創出した、
ナイジェリア出身のアーティスト=キザイア・ジョーンズ。
彼の独創的な演奏を支えるスペシャルなギターをご紹介。

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 初登場となった公演にて、キレのあるギターとアフリカンなグルーヴでブルーノートのオーディエンスを心酔させたキザイア・ジョーンズ。ヨルバ族の名門一家というエリートでありながらも、レコード・デビューはパリの地下鉄での演奏がきっかけというユニークなストーリーを持つシンガーソングライターだ。モデル並みのルックスに加えて、ジャズやR&Bなどの米国黒人音楽にアフリカ仕込みのグルーヴを織り交ぜた音楽性で、デビューから一躍スターダムへと駆け上がった。そんな彼の音楽が多くの人を惹きつけて止まない理由のひとつに、打楽器のようにギターを扱うパーカッシヴな演奏にある。

 

「引っ越しでピアノを手放すかわりに手にしたのがギターだった。ギターの弦を親指で叩いたときに、これはピアノと同じ理屈なんだと感じたね。試行錯誤を重ねながら今の演奏スタイルが生まれたよ」

 そんな彼のパーカッシヴなギター演奏に欠かせないのがナイロン素材の弦。「独特の柔らかいアタック感が好み」と語るジョーンズは、この弦を張ったフラメンコギターを経て、バンド演奏に負けない音量を得るべくエレアコギターを使うようになる。ここで紹介するのはフランスの楽器メーカー、LAG Guitarが彼のために製作したスペシャルな一本だ。

 彼が長年愛用したIbanez SC500をもとに、ボディやネックを彼の好みに合わせて薄く加工し、ハードにギターを弾いた際にコントロール・ノブが右手に干渉しない位置へ移動。音色の要であるプリアンプは彼の奏法に合わせて設計した専用機である。

「理想的な楽器」と、満足げに語るジョーンズは、新しい相棒を自身の最新作『キャプテン・ラギッド』になぞって"Rugged"と呼んでいるそう。「僕は叩くように激しく演奏するから、とにかく楽器を痛めつけてしまう。だからギターもrugged(=頑丈)じゃないとダメなんだよ」

 instrument

ジョーンズの演奏スタイルに合わせて、4つのサウンド・キャラクターがセレクトできるコントロール・パネル。

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APHEX Guitar Exciterはブライトになりがちなエレアコのトーンに太さを加味するために重宝している。

photography = Takashi Yashima
interview & text = Daisuke Ito
cooperation = Kazumi Someya

Kiziah Jones(キザイア・ジョーンズ)
ナイジェリア出身。92年リリースのデビュー作『ブルーファンク・イズ・ア・ファクト!』が大ヒットとなり一躍時の人に。出身地のナイジェリア・ラゴスへと拠点を移してリリースした最新作『キャプテン・ラギッド』は、フェラ・クティゆずりの反社会的なアフロ・ビートを取り入れた作風で話題となった。
伊藤大輔(いとう・だいすけ)
リットーミュージック刊『べース・マガジン』『サウンド&レコーディング・マガジン』の編集を経て、現在はフリーランスとして各音楽メディアへ執筆するほか、映像作家としても奮闘中。

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