明日公演を控えたBJ・ザ・シカゴ・キッドにインタビュー! | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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明日公演を控えたBJ・ザ・シカゴ・キッドにインタビュー!

明日公演を控えたBJ・ザ・シカゴ・キッドにインタビュー!

BJ・ザ・シカゴ・キッド
公演直前インタビュー!

明日からブルーノート東京に出演するBJ・ザ・シカゴ・キッド。ショウを直前に控えた彼が、故郷のシカゴやルーツのゴスペル、憧れのマーヴィン・ゲイのことなどについて話してくれた。

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ーーあなたはその名前にもあるようにシカゴ出身ですが、シカゴは古くからブルース、ソウル、R&B、ヒップホップまで音楽的な土壌が豊かで、多くのスターが誕生しています。シカゴの音楽がスペシャルなのはどんな部分だと思いますか?

 「シカゴ発の音楽は昔から極めて正統派だった。魂を語る、真実を語るのがシカゴの音楽で、それは自分もそうだし、カニエ・ウェストもチーフ・キーフもジェニファー・ハドソンも、それにカーティス・メイフィールドにしても(シカゴ出身者は)みんな同じだよ。自分たちの街の暮らしを踏まえて真実を語るんだ。音楽が素敵な安らぎとなり、自己表現の捌け口になっていく...それがシカゴなんだ」

ーーモータウンからのメジャー・デビュー作『In My Mind』には同郷のチャンス・ザ・ラッパーと共演した"Church"という曲が収録されていますが、教会やゴスペルもあなたにとって切り離せないものですよね?

 僕の生活と愛の一部として常に教会があるから、心を込めて語ることだけは心掛けてきた。僕と同じように感じて自分を表現しているアーティストが他にもいると知って嬉しいね。ああいったメッセージを伝える言葉は、これからも僕の人生における強力な一つの形態であり、フォースであり続けるに違いない。

ーー『In My Mind』は、R&Bを軸としながら、ゴスペル、ヒップホップ、インディ・ロックなど全方位的なスタイルで作られていましたが、作品を制作する時はどんなことを心掛けていますか?

 アーティストとしての責任はとても大きくて...誠実であることと、常にいちDJであることを心掛けている。幅広いジャンルの音楽を愛しているので、それを反映させた音楽を創り出す方法を見つけ出すのが僕の仕事だ。自分の多彩さを音楽を通じて示し、それを僕のファンや音楽を愛する皆さんに然るべき形で聴いてもらうためにベストな方法を見つけ出したいと思っているよ。

ーーアルバムにはケンドリック・ラマーなども招いていましたが、課外活動でも、ヒップホップ・アクトとの共演をはじめ、アンダーソン・パーク、ソランジュ、レディシ、PJモートンといったR&Bアーティストまで、今やあなたはあらゆるアーティストの作品で引っ張りダコです。何故それほどまでにオファーが相次ぐのか、自分で考えたことはありますか?

 今名前を挙げてくれたアーティスト全員のファンだよ。僕の音楽の才能を見せてほしいとか、コラボレーションしてほしいと頼んでくれるのは、僕の技能に対する敬意の表明以外の何ものでもないと信じている。何より光栄なのは、音楽に対する僕の感覚や、僕が表現する自分らしさに共感してもらえることだね。それが伝わると仕事がやりやすくなる。

ーーモータウン所属ということで、モータウンの大先輩にあたるマーヴィン・ゲイの"What's Going On"のリミックスでマーヴィンと擬似共演をしていましたが。

 "What's Going On"のリミックスの仕事は特に楽しい企画だった。マーヴィン・ゲイは僕のヒーローで、"What's Going On"はとても力強く、今でも意味深い曲だ。ずっと聴き続けられるべきあのメッセージを(リミックスで)拡散していけることを凄く光栄に思っているよ。

ーー来日公演は今回で二度目となります。以前の公演ではディアンジェロの"Send It On"やプリンスの"Do Me Baby"のカヴァーも披露してくれましたが、今回のブルーノート公演はどんなショウになりそうですか?

 先達へのオマージュは好んでやっていることなんだ。彼らの音楽すべてが僕の人生にインパクトを与え、僕の仕事を前向きに変えてくれたのだから、敬意を払うのは当然だよね。今回のブルーノート公演は、出す予定の新作からの曲もいくつか披露するかもしれない。ショウは間違いなく素晴らしいものになる。楽しみに待ってもらうしかないね(笑)。

interview & text = Tsuyoshi Hayashi
translation = Kazumi Someya

林 剛(はやし・つよし)
音楽ジャーナリスト。R&B/ソウルをメインに様々な媒体で執筆。近著は2010年代中盤までのシーンをまとめた『新R&B教本』(SPACE SHOWER BOOKS)。今春には共著となる音楽書を複数発表予定。

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