エリック・ベネイ、昨年リリースの新作を携えて来日! | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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エリック・ベネイ、昨年リリースの新作を携えて来日!

エリック・ベネイ、昨年リリースの新作を携えて来日!

アルバム『エリック・ベネイ』の世界が
遂にお披露目!

ソロ・デビュー20周年を迎え、セルフ・タイトルの新作を発表したR&Bシンガーが帰ってくる。ソウル・ミュージックへの愛、娘たちへの愛、セクシャルな愛など、様々な愛を歌う彼の最新ステージは、歌に酔う至福の時間だ。

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interview & text = Tsuyoshi Hayashi

 昨年でソロ・デビュー20周年を迎えたエリック・ベネイ。今や日本のホームとも言えるブルーノート東京には約1年半ぶりの登場となる。

「日本との恋愛が続いて20年。今も感謝や愛の気持ちで応えてくれている。本当に嬉しいよ」

 常に愛を歌ってきたエリックらしい表現だが、3人の娘を持つ父親でもある彼は、昨年発表したアルバムでもこれまで通り様々な愛を歌っている。

「愛はとても強い感情だから、最もインスパイアされるテーマのひとつさ。今作でも娘のルナ(マニュエラ夫人との間に儲けた二人目の娘)への愛、物理的にも時間的にも探求するような愛、太陽の光がむなしくも暗くなってくるようなリスクを持った愛を歌っている。新作は、もう完全に僕そのものという感じで、音楽的に僕を表現しきれていることからも自分の名前をタイトルにしたんだ」

 共同プロデュースは、エリックいわく「自分にはない音楽的な部分や楽器の知識、演奏面をカバーしてくれる、僕の頭と直接繋がっている手のような存在」と話す相棒のデモンテ・ポージー。生楽器を多用したオーガニックな楽曲が、今回のライヴではどう演じられるのだろう。

「アルバムではストリングス、ホーン、パーカッションなどの生音を使って壮大なサウンドを表現している。その壮大さを日本の公演でそのまま表現することは出来ないけど、曲のアイディアや感情をしっかり伝えることのできる素晴らしいプレイヤーを連れてくるよ。たとえ僕と3人のメンバーでもそれを伝えられるようなね」

 3人のメンバーとは、キーボードのジョナサン・リッチモンド、ベースのアフトン・ジョンソン、ドラムスのジョン"スティックス"マクヴィッカー。新作で「ブローク・ビート&バステッド」に参加した彼らは、いずれもエリックが厚い信頼を寄せる腕利きで、特にジョナサンはこれまでのライヴでもバンマスを務めてきた重要人物だ。

「ジョナサンはバンド・マスターであるだけでなく素晴らしいプロデューサーであり、創造力の源そのもの。彼とはツアー中に作曲をすることもあるよ。演奏する際、リスナーを感動させる力を毎回しっかり伝えることがとても大事なんだけど、彼はそのへんがデキるやつなんだ」

 新作ではプリンス風の「インセイン」も歌っているが、プリンスのいない世界をどう思っているのだろう?

「「インセイン」は確実にプリンスの80年代後半のバラードにインスパイアされて作った曲だよ。プリンスの悲劇的な旅立ちに関しては心に穴が開くような虚しさがあったから、それ以来は彼をトリビュートする曲を1〜2曲演奏しているよ。日本でもやるかもしれないね」

 歌声に酔う至福の時間。今回も得意のファルセットを限りなく発揮してくれるはずだ。

 TAK MATSUMOTO_DISC

『エリック・ベネイ』
(ビクターエンタテインメント)


林 剛(はやし・つよし)
音楽ジャーナリスト。R&B/ソウルをメインに様々な媒体で執筆。ディスクガイド(ディアンジェロを軸にした『新R&B入門』、マイケル・ジャクソンを軸にした『新R&B教室』)もSPACE SHOWER BOOKSから発売中。

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