異才、アート・リンゼイが小山田圭吾をゲストに初登場 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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異才、アート・リンゼイが小山田圭吾をゲストに初登場

異才、アート・リンゼイが小山田圭吾をゲストに初登場

知性と感性に裏打ちされたNYアヴァンギャルドのカリスマが、
遂にブルーノート東京に!

まさか、この日がやってこようとは!
遂に、アート・リンゼイがニューバンドを従えて、ブルーノート東京に初お目見えする。

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 アートの来日は、東日本大震災が起きた2011年の初夏以来3年振り。震災直後、福島原発の事故の影響などが懸念された中、本人と連絡を取ると、「大変なことが起きてしまったようだね。でも、こういう時こそ日本に行って自分にできることをしたい。だからもちろん行くよ!」と快く来日を引き受けてくれたことを思い出す。
 
 そしてアートは、現在拠点にしているブラジル・リオ・デ・ジャネイロから単身来日し、相対性理論『解析III』のスペシャルゲストとして、コーネリアスの小山田圭吾(ギター)、バッファロー・ドーターの大野由美子(ベース・キーボード)、プラスチック・オノ・バンドなどで活躍するあらきゆうこ(ドラムス)と組んだ即席バンドで、すざまじい演奏を聞かせてくれた。また、渋谷DUOで行った大友良英とのライブでは、初顔合わせとはとても思えない抜群の相性の良さで、オリジナル曲に加え、ネルソン・カヴァキーニョやシコ・ブアルキのカヴァーなども共演し、この時のセッションライブはすでに語り草になっている。さらに、恵比寿リキッドルームでは、菊地成孔率いるデートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン(DCPRG)にも飛び入り参加、観衆を熱狂の渦に巻き込んだ。

 アートがこれまでに共演してきたミュージシャンは数知れず。ジョン・ルーリー、ジョン・ゾーン、マーク・リボ、ビル・フリーゼル、ピーター・シェラー、キップ・ハンラハン、デイヴィド・バーンらNYを中心とした面々。カエターノ・ヴェローゾ、ガル・コスタ、マリーザ・モンチ、ヴィニシウス・カントゥアリアらのブラジリアン。さらに、坂本龍一、小山田圭吾、大友良英、菊地成孔、UA、テイ・トウワ、宮沢和史、くるりなど日本のミュージシャン達・・・。こうして書き並べただけでも、そのダイバーシティはとてつもなく広く、彼がワン&オンリーなアーティストであることに疑いはない。

 来日を目前に控えた本人に直接、話を聞いた。

--9月にリリースされた最新コンピレーション・アルバム『アート・リンゼイ百科事典』について自作解説を。

「まず、cd1は、1994~2004までのソロ名義時代の曲から選曲した。何か物語性を持たせるのではなく、オーソドックスにベストだと思える曲を選んだつもりだよ。cd2は、ここ数年力を入れているソロのライブ・テイクから選んだ。構築的に録音されたcd1と、それとは対照的に即興性に満ちたライブ録音であるcd2を組み合わせることで、リスナーに喜びを与え、そしてまた何らかの思考を促せるといいなと思う。僕自身への関心ではなく、この作品を巡って様々な反応が得られたらいいね」

--今回の来日メンバーについて

「ベースのメルヴィン・ギブスとは83年くらいからずっと一緒にプレイしている。ヘンリー・ロリンズ・バンドなどでも活躍する彼は、ブラジルでも一緒にカーニバルのパレードで演奏したりもしていて、ブラジル音楽にも精通している信頼できるミュージシャンだ。
パーカッションのマリヴァルド・ペイムは、ブラジル・バイーア州出身で今はパリに住んでいる。僕がイレ・アィエのプロデュースをした時に、彼は指揮者であり、ドラムスのアレンジャーでもあった。その時からの付き合いだ。
キーボードのポール・ウィルソンはNY出身で、ローリン・ヒルなんかとも演奏している売れっ子ミュージシャンだよ。リズム&ブルースからノイズまで、とにかく適応能力が高い。
デヴィッド・フラジエはNY出身の若きドラマーで、最近バンドに加わった」

--ライブの聴きどころは?

「もちろん新譜の『encyclopedia』から、たくさん演奏するつもりだよ。曲のアレンジも以前とは変えようと思ってる。ブラジリアン・テイストと(アメリカの)リズム&ブルースをブレンドしてテンションを生み出したい。ミュージシャン一人ひとりのポテンシャルを存分に生かし、"リリシズム"と"ノイズ"が共存するサウンドを生み出したいんだ」

--最近の活動、また気になっているミュージシャンや音楽について教えてください。

「うーん。ペルナンブコ出身のSibaというアーティストのニューアルバムをとても楽しみにしている。あとは、DJ Omuluのファンク・カリオカ・ミックスは新鮮だった。最近では、フランスのNoël Akchotéが出したGESUALDOのアルバムもとても良かったよ。FKA twigsもなかなかいいね!それから、僕自身は、ノルウェーのドラマーPaal Nilssen-loveとデュオで演奏し、レコーディングもした。とにかく、日本にはしばらく行けていなかったから、とても楽しみにしているよ! 大好きな(小山田)圭吾との共演もね!」


前田圭蔵(まえだ・けいぞう)
本業はパフォーミング・アーツのプロデューサー。世田谷美術館でアシスタント・キュレーター。その後は、プロデューサーとしてアート・リンゼイを始め、数々のコンサート制作を手掛ける。今は東京芸術劇場のスタッフとして仕事をするかたわら、ウェブマガジンrealtokyo同人。


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