マリンバと音楽愛が繋ぐ、名手たちの宴。ミカリンバ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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マリンバと音楽愛が繋ぐ、名手たちの宴。ミカリンバ

マリンバと音楽愛が繋ぐ、名手たちの宴。ミカリンバ

マリンバと音楽愛が繋ぐ、名手たちの宴。

 NY在住のマリンバ奏者のミカと、彼女の作品を2枚プロデュースしているスティーヴ・ガッドらとのプロジェクトがミカリンバ。 まさに名手たちのプレイグラウンドとも言うべき一夜のギグに乾杯!

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 〈素の、音楽ファミリー〉。そう言いたくなる、生理的に温かく、満たされていた情景がぽっかりと浮かび上がっていたのではないか。

 それにしても、豪華なメンバーであること。泣く子も黙る(?)スティーヴ・ガッドやその朋友エディ・ゴメス、NYの辣腕ギタリストのジョン・ロトペイ、ミカに曲も提供しているガッドの息子でパーカッションのデューク(ガッドが打楽器を担当し、彼がドラムを叩いた曲もあった)、ミカの旦那さんであるクラシック界の著名クラリネット奏者であるリチャード・ストルツマンという名手たちが、まさに自らの楽しみのためといった感じで楽器音を重ね合う。

LIVE1
MIKARIMBA
featuring Steve Gadd, Eddie Gomez, John Tropea,Richard Stoltzman & Duke Gadd
ミカリンバ featuring スティーヴ・ガッド、エディ・ゴメス、
ジョン・トロペイ、リチャード・ストルツマン&デューク・ガッド
2014.10.17 fri.
Mika Stoltzman (marimba), Richard Stoltzman (cl),
Steve Gadd (ds), John Tropea (g),
Eddie Gomez (b), Duke Gadd (per)

SET LIST
1st & 2nd
1.TAKE THE "A" TRAIN/2.SAMBATA/3.MARIKA GROOVE/4.IRISH SPIRIT/5.THE LAST MOJITOS/6.JUBILATION/7.THE DUKE/8.亡き王女の為のパヴァーヌ/9.LOCOMOTIVE/EC.EVERYBODY TALK ABOUT FREEDOM

photography = Yuka Yamaji

 スタンダード「A列車で行こう」で軽快に始まったショウは和気あいあいにして、滋味に満ちる。息子に捧げたガッド作曲の「ザ・デューク」ではガッドがドラムを叩きながら嬉しそうにスキャットを披露し、チック・コリアがミカに送った「マリカ・グルーヴ」はストーリー性豊かに展開。また、ラヴェルのクラシック曲「亡き王女の為のパヴァーヌ」はミカとリチャードとゴメスの3人で静謐に演奏された。

 ジャズ・フュージョンからトロピカル調、はてはクラシックまで。面々は絶妙なアンサンブルを武器に、悠々とジャンルを横切る。さらに最後には、ミカ本人の熊本弁と英語を用いた独創的なラップもダンサブルな設定のもと披露された。それは彼女のマリンバ演奏/音楽行為を支える自由さや情熱を見事に透けさせるもの。そして、それこそはエゴを取り去った名人たちの"歓びの演奏タペストリー"編み上げを導いたものであったはずだ。

LIVE2
佐藤英輔(さとう・えいすけ)
1968年からフリーで、音楽の文章を執筆。インタヴューやライナーノーツの数は千を越す。『ソウル・ソサエティ』シリーズから『ピアノ・マン』までコンピ盤編纂もいろいろ。日々ライヴに行った事を書いているブログはhttp://43142.diarynote.jp

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