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ジョヴァンニ・ミラバッシ-GIOVANNI MIRABASSIの紹介 スペシャル・インタビューはこちら

ヨーロッパ・ジャズの最先端をゆく鬼才ピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ。近作『新世紀』もロング・セラー中の彼が“黄金のトリオ”と共に戻ってくる。イタリアのペルージャに生まれた彼は3歳からピアノを始め、10歳でジャズに開眼。17歳のときには伝説的トランペッター/シンガーのチェット・ベイカーと共演を果たした。‘92年からはフランスを拠点に活動し、2001年の作品『Avanti!』で名声を獲得。名誉あるジャンゴ賞の最優秀新人アーティストにも輝いた。ジャンルカ・レンジ、レオン・パーカーとのコンビネーションは前回の公演よりさらに進化、発展を遂げている。ピアノ・ミュージックを刷新し続けるミラバッシの一挙一動に注目したい。


●1970年5月4日、イタリア中部ウンブリア州のペルージャ生まれ。弁護士の父親がピアノやギターなど楽器をたしなみ、気力旺盛なレコード・コレクターだったため、小さい頃からジャンルの線引きなしに音楽を聴きあさった。3人兄弟の次兄で、クラリネット奏者の長兄ガブリエルもジャズ系のレコーディング・アーティストとして活躍中。3歳でピアノを弾き始め、10歳でジャズに開眼しても独学を堅持。オスカー・ピーターソンやビル・エヴァンスらを範にするうち、母国を代表するエンリコ・ピエラヌンツィのピアノに強い影響を受けた。17歳でチェット・ベイカーと共演する厚遇を受け、19歳でスティーヴ・グロスマンとも共演。22歳でイタリア音楽界に見切りをつけパリに渡った。そこで生まれて初めて師事したピアニストが、イタリアからフランスに渡って大成した名匠アルド・チッコリーニだった。ウェイターや夜警のアルバイトをしながら自身のグループでパリのジャズ界に参入し、フラヴィオ・ボルトやステファノ・ディ・バティスタら同郷の仲間と出会うと、’96年にアルバムを初レコーディング。するとこれが、国際ジャズ・コンペのグランド・プライズに輝くことではずみをつける。ソロ・デビューは’99年、ピアノ・トリオでオリジナルばかり演じた『Architectures』で。続いて’01年にソロ・ピアノによる反戦歌、革命歌集『Avanti!』で、フランス・ジャズ界最高の栄誉であるジャンゴ・ライハイルト賞の「最優秀新人賞」を獲得。アルバムのセールスは2万枚を超えた。そこから、ピアノ・ソロやトリオのほか、フラヴィオ・ボルトとの変則トリオによる意欲的な試みを続け、’04年11月に自身のトリオを率いて初来日。日本では、澤野工房による丹誠な支援によって知名度も人気も急上昇。シャンソンやカンツォーネの名曲を弾いたピアノ・ソロ・アルバム『Cantopiano』の反響も手伝って、高い評価を不動のものにしてきた。来日メンバーのトリオでは、’08年1月に1枚目の『Terra Furiosa』を発表。最新作『新世紀〜アウト・オブ・トラック』(ビデオアーツ・ミュージック)は同じ顔ぶれによる録音だが、〈インプレッションズ〉や〈アローン・トゥゲザー〉など名物スタンダードに初挑戦。豪放な解釈と華麗な表現手法でアイデンティティを吹き込んだ。来日するのは、当店公演のほかソロ・コンサートも行なった’09年3月以来、約1年ぶり。今回は、アルバム・リリースを前提にしたライヴ・レコーディングも予定される。オフィシャル・サイトは「http://www.mirabassi.com/en/index2.html」。


MIRABASSI, RENZI & PARKER TRIO
ミラバッシ、レンジ&パーカー・トリオ


2010 4.21wed.-4.23fri.


公演時間

 [1st] Open5:30p.m. Start7:00p.m.
 [2nd] Open8:45p.m. Start9:30p.m.


メンバー

Giovanni Mirabassi(p)
ジョヴァンニ・ミラバッシ(ピアノ)
Gianluca Renzi(b)
ジャンルカ・レンジ(ベース)
Leon Parker(ds)
レオン・パーカー(ドラムス)


Giovanni Mirabassi - Out of Track



チャージ料金表

¥7,350(税込)


 

軽妙、重厚、洒脱、幽玄、奥の深いヨーロピアン・ジャズをご堪能あれ!

表情豊かなピアノ、腹心のメンバーたちの濃密な会話・・・
本物には、自分のスタイルに合わせた様々な楽しみ方がある。

photo / Great The Kabukicho, interview & text / Akira Sakamoto

約1年ぶりにブルーノート東京に登場するジョヴァンニ・ミラバッシは、パリを拠点に活躍するヨーロピアン・ジャズの旗手的存在。その名が示すように、彼はフランスに劣らずジャズが盛んなイタリアの出身で、しかも故郷の街ペルージャは、世界的に有名なジャズ・フェスティバル、“ウンブリア・ジャズ”の開催地でもある。そんな彼が、フランスのパリにこだわるのはなぜだろう。
「7歳になる娘がフランス国籍だということもありますが、パリはヨーロッパのジャズの中心地で、いろんな人と出会う機会があるんです。アルバムを作って国際的なプロモーションを行うためにも、パリに拠点を置く必要があります。ステファニー・バティスタやロサリオ・ジュリアーニ、フラヴィオ・ボルトロ、ステファノ・ボラーニといったイタリア人のアーティストたちはみんな、フランスのレーベルと契約しています」
1992年、22歳でパリに出た彼は、ウェイターや夜警の仕事をしながらレストランでピアノを弾いていた。それまでは全くの独学だったが、ふとしたきっかけで、ラヴェルやドビュッシー、サティなど、フランス近・現代のピアノ音楽の世界的な権威で、フランスで長年活動するイタリア人アルド・チッコリーニに師事することになる。
「私が自己流で弾いていたピアノを聴いて感動したチッコリーニ先生の弟子のひとりが、私を先生に引き合わせてくれたんです。先生は私の演奏を聴くと、『もしも“ピアニスト”になりたいのなら、私がレッスンをしてあげよう』と言ってくださいました。つまり、その時の私はピアニストと呼べるものではなかったということですね(笑)。私はそれから3年間先生に師事して、国際的なソロイストとしての心構えというものを教わりました。」


ライヴ・レコーディングは ぜひブルーノート東京で!
ミラバッシは2001年に、様々な時代や国の革命歌をソロ・ピアノで弾いた『アヴァンティ!』でアルバム・デビューを飾るが、これが高い評価を得て、彼は定期的なツアー活動を行うようになる。昨年に引き続いて彼と一緒に来日するジャンルカ・レンジ(ベース)とレオン・パーカー(ドラムス)は、『テラ・フリオサ』(2008)と『新世紀〜アウト・オブ・トラック』(2009)の最近作2枚に参加しており、ミラバッシは彼らに絶大な信頼を置いている。
「最初は、彼らをゲストに迎えて3曲だけレコーディングするつもりで、2人とは当日スタジオで初めて会ったんです。もちろん、このメンバーなら上手くいくだろうと思って彼らを呼んだわけですが、実際に音を出してみると、期待していたよりもはるかに上手くいったので、このトリオでまるまる1枚アルバムを作ることにしました。それが『テラ・フリオサ』です」 お気に入りのトリオで昨年初めてブルーノート東京に出演した感想を聞こうと思っていると、彼はこう言葉を続けた。
「ブルーノート東京は世界一のジャズ・クラブだと思います。そう言っているのは、私たちだけじゃありません。私たちは、昨年3月にこのクラブで3日間の公演を終えた後、もしもライヴ・アルバムを作る機会があれば、ぜひここブルーノート東京でレコーディングしたいという話をしました。音響や観客の皆さんの雰囲気が良いというだけではありません。スタッフの方々全員が、温かいもてなしの心で接してくださって、出演者たちがとても気持ち良く演奏できる雰囲気を作ってくださっているからです。今の言葉で言うなら、このお店には最高の“ヴァイブ”があるということですね(笑)」

日本的な文化、アニメ、音楽 イタリア人的なファッション・センス
ミラバッシは公演やプライベートですでに10回以上来日しており、かなりの日本通でもある。2005年のアルバム『プリマ・オ・ポイ』では、宮崎駿監督作品『ハウルの動く城』のテーマ曲を取り上げてもいる。
「実はマンガが大好きで、家にはDVDがたくさんあるんです(笑)。宮崎駿は作品も大好きですが、久石譲の音楽も素晴らしいので、宮崎作品のDVDは全部持っています。他には高畑勲や今敏の作品も大好きです・・・この辺についてはけっこう詳しいんですよ(笑)。久石譲は日本のミシェル・ルグランみたいな存在で、『ハウル』のテーマ曲のメロディーは映画を観た時に気に入って、1週間後にレコーディングしました。今の日本は全盛期のアレクサンドリアのように、世界一のものが集まっています。音楽家も作家もそうですし、ワインでさえ、最高のものは東京で見つけることができますから。ブルーノート東京にも素晴らしいワインがありますよ」
ワインの話が出たついでに、愚問とは知りつつ、ファッションに対するこだわりや、マンガ以外の趣味についても聞いてみた。
「ファッションに対するこだわりはもちろんあります。私はイタリア人ですからね(笑)。見栄えの良い格好をするのは、私たちの文化の一部です。私は今、たくさんの若いアーティストたちの仕事場があるモンマルトルに住んでいて、気に入ったものがありさえすれば、ブランドはそれほど有名ではなくても積極的に着ています。今日着ているジャケットはやはりモンマルトルで見つけたブランドのプレタポルテのものです。それほど高いものではありませんけれどもね。パンツはZaraのものを今日は穿いていますが、これはたしか大阪のお店で買ったと思います。Zaraは世界中に支店があるので、急に必要になった時でも安心ですね(笑)。靴はイギリス製のものが好みです。ファッションにたくさんお金を注ぎ込むことはしませんが、自分の趣味ははっきりしていて、基本的にネオ・クラシックなものが好きですね。趣味としては、マンガ以外の映画もたくさん観ますし、文学好きな性格は、シャンソンの伴奏をする時にはとても役に立ちました。聴く音楽としてはポップスも好きですが、ワールド・ミュージックも大好きで、とくにタンゴなどの南米の音楽には魅力を感じます。それに料理も大好きで、フォアグラも自分で作りますし、時間があればパリの有名なシェフのマスタークラスも受講していて、今度は日本人のシェフのクラスを受けるつもりでいます。料理と音楽はとてもよく似ていると思います」
ミラバッシは、ジャズは“理解する”ものではなく、“感じる”ものだということを強調する。4月21〜23日にかけて行われるブルーノート東京公演では、豊かな趣味人でもあるミラバッシのトリオが醸し出す極上のヨーロピアン・ジャズの雰囲気を、存分に感じ取っていただきたい。



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電話番号
 
2010 4.21wed.

1ST
1.IF I SHOULD LOSE YOU
2.WORLD CHANGES
3.SOUVENIRS SOUVENIRS
4.NY 1
5.GOLD AND DIAMONDS
6.SIX FOR SEX
7.LAST MINUTES

2ND
1.SIX FOR SEX
2.IT IS WHAT IT IS
3.MY BROKEN HEART
4.IT'S US
5.NY 1
6.HERE'S THE CAPTAIN
7.WORLD CHANGES
8.IMPRESSIONS
9.ALONE TOGETHER
10.LE CHANT DES PARTISANS
【ALBUMS】
"TERRA FURIOSA"
Giovanni Mirabassi - Terra Furiosa
"OUT OF TRACK"
Giovanni Mirabassi - Out of Track
"CANTOPIANO"
Giovanni Mirabassi - Cantopiano