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"SAVE LIVE MUSIC Ⅲ" HIROMI ~BALLADS 2~

artist 上原ひろみ

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


世界的ピアニストの上原ひろみがブルーノート東京を舞台に、ライヴ業界とライヴを愛する音楽ファンのすべてに送るロングラン・シリーズの第3弾"SAVE LIVE MUSIC Ⅲ"が、早くも最終プログラムに突入しました。四日間にわたって開催された白熱の「上原ひろみ×矢野顕子」公演に続いては、とびきり抒情的なソロ・ピアノ公演「上原ひろみ ~BALLADS 2~」です。昨年行なわれて絶大な好評を博したバラード限定のセットリストがいっそう磨き抜かれ、練りに練られたレパートリーで行なわれているのです。

バラード限定のプログラムほど、実はチャレンジングなものはない------というのが、率直な個人的意見です。息もつかせぬアップ・テンポ・ナンバーで盛り上げたり、ノリノリの曲調で観客を煽ったり、そういうことが一切できない。ミディアムからスロー・テンポの範囲で、いかに場を弛緩させることなくもたせていくか。いかに趣の異なる曲調を並べて、彩り豊かなセットに仕上げていくか。しかも独奏です。演奏家の底力が、こんなに問われるライヴ・フォーマットも少ないのではないでしょうか。上原ひろみはこの日、"ソロ・ピアノによるバラード集"という枠の中で、静の力というべきプレイをたっぷり味わわせてくれました。オリジナル・ナンバーはもちろんのこと、新鮮な和声が添えられたスタンダード・ナンバー、はたまたクラシックの曲にまで、美意識と技巧の冴えがくまなく反映されています。観客はそんな上原ひろみの表現にじっと耳を傾け、ピアノの音が消え去るのを待って、大きな拍手を送ります。ラスト曲が終わって沸き起こったスタンディング・オベーションは、演奏に対する最大の賛辞であると同時に、彼女の持つ"ライヴ・ミュージック愛"への共鳴でもあったのでしょう。

東京都の緊急事態宣言中ということで、酒類提供なしのステージでした。MCで"アルコールのない分、私の演奏で皆さんを酔わせることができたら"と語っていましたが、まさしく、オーディエンスはバラードの世界に酩酊していたはずです。公演は本日まで開催。"SAVE LIVE MUSIC Ⅲ"シリーズの締めくくりともなる、本日のセカンド・ショウは配信実施予定です。
(原田 2021 6.1)


Photo by Tsuneo Koga

☆"SAVE LIVE MUSIC RETURNS"公演 特設ページ
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■"SAVE LIVE MUSIC Ⅲ" 上原ひろみ ~BALLADS 2~
2021 5.31 mon., 6.1 tue.
※生配信:6.1 tue. 2ndショウ(Start7:30pm)
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SET LIST

2021 5.31 MON.
1st&2nd
1. こいのうた
2. Someday my prince will come
3. Reminiscence
4. Fallen angels
5. Haze
6. Over the rainbow
7. Uncertainty
EC. Jesu, Joy of Man’s desiring

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