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MADELEINE PEYROUX

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

語りかけるような歌声、繊細なニュアンスに富んだサウンド作り。聴けば聴くほど、「彼女は本当に音楽をいとおしく思っているんだろうな」と痛感させられます。ジョニ・ミッチェルの作品制作で名を馳せるラリー・クラインとの共同プロデュース作品『アンセム』(昨年9月国内発売)も大好評のマデリン・ペルーが、約3年半ぶりに登場中です。

前回はジョン・ヘリントン(エレクトリック・ギター)、バラク・モリ(アコースティック・ベース)とのトリオで、ちょっと室内楽的な響きを届けてくれましたが、今回はヘリントン、アンディ・エズリン(キーボード)、ポール・フレイジャー(エレクトリック・ベース)、グラハム・ホーソーン(ドラムス)という編成。しかも皆、バック・コーラスも担当します。演奏もハモリも抜群の面々が、マデリンのもとに集まったわけです。

オープニングの「I'm All Right」から、5人一体となったサウンドが耳に届きます。ブラッシュ・ワークが打ち出すシャッフル風リズムの快感、空間をゆったりと埋めていくギターの音色、そしてバンドの音にふわりと乗ったマデリンの歌声の柔らかさ。歌い終えた後、"これは恋人の別れの曲なの。だけど、とっても前向きな別れなのよ"と、歌詞の大意をファンに伝えます。

マデリンはアコースティック・ギターだけではなく、ウクレレも弾きながら歌いました。スティーリー・ダンやボズ・スキャッグスのツアーにも参加しているヘリントンは指弾きとピック弾きを使い分け、ソロにオブリガート(合いの手)にと大活躍。デイヴィッド・サンボーンやニューヨーク・ヴォイセズのサポートでも知られるエズリンはソロ・パートにモダン・ジャズの豊かな香りを運び込みました。プログラムは「Down on Me」「On My Own」「The Brand New Deal」などニュー・アルバムからの曲が中心。と同時に、映画『ティファニーで朝食を』からの「Moon River」、バンド・メンバーがステージからおりて独りフランス語で弾き語った「J'ai Deux Amours」等、"こう来たか"と喜ばずにはいられないカヴァー曲も披露しました。"Me Too ムーヴメントに捧ぐ"と前置きして歌った、ニューオリンズR&Bの伝説的歌手リー・ドーシーの「Everything I Do Gonh Be Funky」(ルー・ドナルドソンも取り上げていましたね)のカヴァーではマデリンのファンキーでブルージーな一面が全開されます。そしてラストは、敬愛するレナード・コーエンの楽曲「Dance Me to the End of Love」をしっとりと届けてくれました。

歌の良さ、バンドの一体感、抜群の選曲センスをすべて味わえるのがマデリンのステージです。公演は21日まで続きます。

(原田 2019 3.20)

Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2019 3.19 TUE.
1st
1. I’M ALL RIGHT
2. OUR LADY OF PIGALLE
3. BETWEEN THE BARS
4. ON MY OWN
5. DOWN ON ME
6. LULLABY
7. BRAND NEW DEAL
8. MOON RIVER
9. J’AI DEUX AMOURS -SOLO-
10. DON’T CRY BABY -SOLO-
11. EVERYTHING GONH BE FUNKY
12. WE MIGHT AS WELL DANCE
13. DANCE ME TO THE END OF LOVE
 
2nd
1. DON’T WAIT TOO LONG
2. YOU’RE GONNA MAKE ME LONESOME WHEN YOU GO
3. LA JAVANAISE
4. ALL MY HEROES
5. I’LL NEVER GET OUT OF THIS WORLD ALIVE
6. IF THE SEA WAS WHISKEY
7. ANTHEM
8. ON A SUNDAY AFTERNOON
9. HONEY PARTY
10. LAST NIGHT WHEN WE WERE YOUNG
11. DANCE ME TO THE END OF LOVE
12. CARELESS LOVE
EC. GETTING SOME FUN OUT OF LIFE

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