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B.B. KING'S BLUES BAND featuring TITO JACKSON

artist B.B. KING'S BLUES BAND , TITO JACKSON

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


"ブルースの王者"B.B.キングを支えたバンド・メンバーたちと、"世界で最も有名な音楽一家、ジャクソン・ファミリーのお兄ちゃん"ティト・ジャクソンのジョイント公演が昨日から始まりました。2017年10月からリハーサルを行ない、メンフィスを皮切りにニューヨーク、カリフォルニア、インディアナ(ジャクソン一家の故郷です)などをツアーしてファンを喜ばせてきた、熱く濃いライヴが待望の日本上陸です。

まずはB.B.キングス・ブルース・バンドによる演奏から始まります。生前のB.B.のライヴでもよくオープニングに取り上げられていた「Let the Good Times Roll」から、華やかなブルース・タイムの開始です。リード・ヴォーカルをとるのは、ベース奏者のラッセル・ジャクソン。B.B.のほか、マット・マーフィーやルーサー・タッカーとのレコーディングも残す名手です。エレクトリック・ベースからウッド・ベースに持ち替えて弾き語ったのは、「Woke Up This Morning」。タメの利いたリズムと深い歌声が、絶妙なバランスで迫ってきます。続く「Big Boss Man」では、35年間B.B.と活動を共にしたトランペット奏者ジェイムズ・ブーガルー・ボールデンがリード・ヴォーカルを担当。B.B.のバンドに入る前は、マーサー・エリントン指揮のデューク・エリントン・オーケストラで活動したこともある重鎮です。

ブルース・セッションがさらなる高まりをみせるところ、"もう待ちきれない"という感じでティト・ジャクソンが登場します。結果、「Why I Sing the Blues」の後半ではウィルバート・コスビーとティトのギター・バトルが繰り広げられることに。音数でスペースを埋め尽くすかのようなウィルバートと、鋭いトーンでフレーズを絞り出すように弾くティトの対比が際立ちます。そして次からはお待ちかね、ティトがリード・ヴォーカルを取るナンバーがつづきます。B.B.の当たり曲のひとつ「Rock Me Baby」(ジミ・ヘンドリックスのカヴァーも知られています)、マディ・ウォーターズが広めた「Hoochie Coochie Man」などブルースの大定番を、颯爽と聴かせてくれました。

いまや第一級のブルース・ミュージシャンであるティトですが、最初に知名度を得たのは、もちろんジャクソン5時代のことです。きらびやかなジャクソン5のポップ・サウンドと、装飾をどんどん取り除いて核を表現していくかのようなブルースは、一見対照的とはいえ、その両方を表現できるのがティトの強み。ラストではジャクソン5時代のビッグ・ヒットをずらりと並べ(何が飛び出すのかは、ぜひ現場でご確認ください)、場内を盛り上げに盛り上げました。
2月にはティトの妹であるジャネット・ジャクソンが、さらに4月にはB.B.を神のように仰ぐエリック・クラプトンが来日公演を行ないます(日本武道館)。両者のステージを楽しみにしている方も、このB.B.キングス・ブルース・バンド+ティト・ジャクソン公演は必見必聴といえましょう。ブルースの醍醐味を伝えるライヴは2月3日まで続きます!
(原田 2019 2.1)
Photo by Makoto Ebi

SET LIST

2019 1.31 THU.
  
1st
1. LET THE GOOD TIMES ROLL
2. WOKE UP THIS MORNING
3. BIG BOSS MAN
4. WHY I SING THE BLUES
5. T-BONE SHUFFLE
6. DAWG
7. 3 O'CLOCK BLUES
8. STEPPIN' OUT
9. BIG LEGGED WOMAN
10. ROCK ME BABY
11. HOOCHIE COOCHIE MAN
12. I NEED YOU SO
EC. THE JACKSON5 MEDLEY
 
2nd
1. BIG BOSS MAN
2. NEVER MAKE YOUR MOVE TOO SOON
3. TWENTY-FOUR HOUR BLUES
4. WHY I SING THE BLUES
5. T-BONE SHUFFLE
6. DAWG
7. 3 O'CLOCK BLUES
8. STEPPIN' OUT
9. ROCK ME BABY
10. I NEED YOU SO
EC1. THE JACKSON5 MEDLEY
EC2. THE THRILL IS GONE

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