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THE SQUARE Reunion - FANTASTIC HISTORY -

artist THE SQUARE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


祝、アルバム・デビュー40周年!
昨年の春に行なわれ、大好評を博した"THE SQUARE Reunion"が1年ぶりにブルーノート東京で開催されています。今回は2日間とも安藤正容(ギター)、伊東たけし(アルト・サックス、フルート、EWI)、和泉宏隆(ピアノ、キーボード)、須藤満(ベース)、則竹裕之(ドラムス)の5人+サポートの河野啓三(キーボード)という面々。5人は'86年から'90年にかけてのメンバーで、この時期に『S・P・O・R・T・S』や『TRUTH』などのメガ・ヒットが生まれています。

「もうこれ以上収容できないのではないか」と思えるほどの超満員のオーディエンスを前にしたミュージシャンは、オープニングの安藤作曲「夜明けのビーナス」からパワー全開。'94年のアルバム『夏の惑星』に収められていたナンバーで、当時所属していたサックス奏者は本田雅人('91~'97年)でしたが、これを今、目の前で、伊東たけしのプレイで聴けるのも実に心が躍ります。続いては'90年のアルバム『NATURAL』で録音して以来、一度もライヴで披露したことがないという伊東作曲の「HAPPY SONG」。すでに譜面は散逸しているので、河野がCDをもとに採譜し、それがこの日のパフォーマンスにつながりました。こうしたレア曲もまた、彼らの"ファンタスティック・ヒストリー"に欠かすことのできないピースなのです。

'96年にイタリアで録音されたアルバム『B.C. A.D.(Before Christ&Anno Domini)』からは、須藤作曲の「PIOGGIA DI CAPRI」と則竹作曲の「勇者(YUH-JA)」を続けて披露。前者では伊東のフルートと安藤のアコースティック・ギターが軽やかなムードを運び、後者では伊東のEWIが奏でる雄大なテーマ・メロディ、須藤の切れ味鋭いスラップ・ベースが強烈な印象を残します。そしてプログラム後半では、誰もが大好きであろう定番中の定番を次々と披露。和泉作曲「Omens Of Love」(のちに松本隆が歌詞をつけ、小泉今日子が歌いました)ではメンバーと観客が一緒にジャンプし、安藤作曲「TRUTH」では観客の手拍子と拳あげが興奮を倍加させます。さらに吹奏楽のバイブルとしても知られる和泉作曲「TAKARAJIMA」、久米大作や田中豊雪在籍時のアルバム『MAGIC』('81年)から安藤作曲「LITTLE MERMAID」がプレイされ、すさまじい熱狂の中、"宴"は幕を閉じました。

メンバー全員が卓越した音楽家であり、メロディ・メイカーでもある。これは考えれば考えるほど尊いことです。本日も"勇者"たちは、リユニオンを超えたリユニオンを聴かせてくれることでしょう。
(原田 2018 4.8)

Photo by Yuka Yamaji

SET LIST

2018 4.7 SAT.
1st
1. CONTROL
2. SUNNYSIDE CRUISE
3. MISS YOU
4. TWILIGHT IN UPPER WEST
5. DANDELION HILL
6. 勇者(YUH-JA)
7. NAB THAT CHAP !!
8. DANS SA CHAMBRE
9. TRUTH
EC1. OMENS OF LOVE
EC2. LITTLE MERMAID
 
2nd
1. 夜明けのビーナス
2. HAPPY SONG
3. MISS YOU
4. FORGOTTEN SAGA
5. PIOGGIA DI CAPRI
6. 勇者(YUH-JA)
7. NAB THAT CHAP !!
8. OMENS OF LOVE
9. TRUTH
EC1. TAKARAJIMA
EC2. LITTLE MERMAID

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