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RAUL MIDÓN

artist RAUL MIDÓN

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


2014年に行なわれたソロ・ライヴは、"衝撃"という言葉がふさわしいものでした。変幻自在のアコースティック・ギター・プレイ、地声とファルセットを絶妙に使い分けた歌唱、一息で何小節も続くロング・トーン、叙情的なピアノ・プレイ、とても一人でやっているとは思えないボンゴとギターの同時演奏、卓越した作詞作曲能力、どう考えてもトランペットの音にしか聴こえないスキャット・・・・才能の玉手箱というべき男、ラウル・ミドンが1年4か月ぶりに「ブルーノート東京」に登場しています。

とにかく他にミュージシャンのいない、まったくひとりきりの状態なのです。そんなシチュエーションで起伏に富んだ80分ものワン・セットを綴り、観客から猛烈な歓声と拍手を引き出す手腕はただものではありません。しかも今回は、いま計画中というニュー・アルバムからの曲もたっぷり聴かせてくれました。とはいえ、慎重に慎重を重ねるミドンゆえ、リリースは2017年になるとのこと。それまで、新曲群はライヴだけで楽しめることになります。その一部を聴くことができるのも、この公演の大きな魅力です。

もちろん既発表の曲もたっぷり届けてくれます。グーやパーを出すようにしながらギターの弦をはじき、叩く奏法は、彼ならではのワン&オンリーなものといっていいでしょう。オープニング曲は、目下の最新作『Don't Hesitate』からの「All You Need」。トランペットを模したスキャットとギターが流麗なユニゾンを奏で、出世作『State of Mind』からは、心の叫びというべきタイトル曲や「Everybody」を熱唱。ぼくが足を運んだ昨日のセカンド・セットは、いささかミドンの持つジャズ的な側面を強めたプログラムでもあったらしく、途中、チャーリー・パーカーの「Yardbird Suite」をソロ・ギターで演奏、さらにオーラスではジョン・コルトレーンやフランク・シナトラも名演を残している「My One And Only Love」を聴かせてくれました。

公演は本日まで「ブルーノート東京」、そして29日には「モーション・ブルー・ヨコハマ」で行なわれます。また本日朝10時から10時30分までインターFMに生出演します。根っからの音楽人間、ラウル・ミドンの雄大な世界をお楽しみください。
(原田 2016 3.28)

RAUL MIDÓN
2016. 3.29.tue モーション・ブルー・ヨコハマ
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Photo by Takuo Sato

SET LIST

2016 3.27 SUN.
1st
1. NEXT GENERATION
2. SUNSHINE
3. IF ONLY
4. MI AMIGO CUBANO
5. INVISIBLE CHAINS
6. MOONDREFALTA
7. SOUND SHADOW
8. LISTEN TO THE RAIN
9. RIDE ON A RAINBOW
10. PICK SOMEBODY UP
11. SITTIN IN THE MIDDLE
12. AGAINST THE WORLD
13. STATE OF MIND
 
2nd
1. ALL YOU NEED
2. IF YOU'RE GONNA LEAVE
3. SUDDENLY
4. PEDAL TO THE METAL
5. IF YOU WANT ME TO
6. YARDBIRD SUITE
7. LOVE IS BLIND
8. LISTEN TO THE RAIN
9. EVERYBODY
10. DON'T TAKE IT THAT WAY
11. WAITED ALL MY WAY
12. EXPRESSIONS OF LOVE
13. STATE OF MIND
EC. MY ONE AND ONLY LOVE

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