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SADAO WATANABE with special guest KENNY BARRON featuring BEN WILLIAMS, ULYSSES OWENS Jr.

artist KENNY BARRON , SADAO WATANABE

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


世代や国籍を超えて音で語りあえる音楽、それがジャズです。昨日から開催されている渡辺貞夫の公演は、まさしく"ジェネレーションズ・オブ・ジャズ"というべき内容で超満員のオーディエンスを喜ばせています。

ピアノを担当するのは重鎮ケニー・バロンです。渡辺貞夫よりちょうど10歳下の1943年生まれ。10代の頃からジェームズ・ムーディやディジー・ガレスピーのバンドで活動し、日本ではロン・カーターやスタン・ゲッツとの共演でもなじみ深い存在です。渡辺貞夫との共演は、FM番組「マイルス・ディア・ライフ」以来、約40年ぶりだそうです。ベースのベン・ウィリアムスは、世界で最も権威のあるジャズ・コンテストといわれる「セロニアス・モンク・コンペティション」の優勝者。パット・メセニー・ユニティ・グループのメンバーでもあり、リーダー作『カミング・オブ・エイジ』も好評と、目の覚めるような活躍ぶりです。ドラムスのユリシーズ・オウエンズJr.はクリスチャン・マクブライドやカート・エリング等とも共演、日米合同メンバーによるニュー・センチュリー・ジャズ・クインテットの一員としても売り出しています。渡辺貞夫とのセッションは、今回が初めてとのことです。

パフォーマンスは「One For You」、「Life Is All Like That」といった自作と、大の十八番であるスタンダード・ナンバー「I'm Old Fashioned」、チャーリー・パーカーゆかりの「Bird Of Paradise」等を織り交ぜて進みました。ほとんどの演奏は渡辺のテーマ吹奏&ソロ→バロンのソロ→ウィリアムスのソロの順で行なわれ、曲によってはユリシーズにもソロの場が与えられました。曲目のイニシアティヴはリーダーである渡辺貞夫が握っていたようですが、演奏面では全員がフィーチャーされました。どのメンバーのファンも皆、満腹感を味わったことでしょう。プログラムは約90分間続き、メンバーが楽屋に戻っても拍手は鳴りやみませんでした。世代を超えたジャズの対話は、30日(火曜)まで続きます。
(原田 2015 6.29)

SET LIST

2015 6.28 SUN.
1st
1. ONE FOR YOU
2. BIRD OF PARADISE
3. TREE TOPS
4. LOPIN'
5. TIMES AGO (FOR TIBETAN PEOPLE)
6. IF I COULD
7. I'M OLD FASHIONED
8. SONG OF MAY
9. LIFE IS ALL LIKE THAT
EC. YOU BETTER GO NOW
 
2nd
1. TADD'S DELIGHT
2. PLUM ISLAND
3. 3.10 BLUES
4. EPISODE
5. MY FOOLISH HEART
6. I THOUGHT OF YOU
7. CHEGA DE SAUDADE
8. LIFE IS ALL LIKE THAT
9. IF I SHOULD LOSE YOU
EC1. SMILE
EC2. BLUE'N BOOGIE

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