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JILL BARBER @COTTON CLUB

artist JILL BARBER

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


将来性豊かな気鋭を紹介する「The EXP Series」、その第2弾が開催されています。今回の主役はカナダ・ヴァンクーヴァー出身のシンガー・ソングライター、ジル・バーバーです。まるで50年代のファッション雑誌から抜け出したがごときヘアスタイル、ドレス、ハイヒール、そしてどこかレイジーな歌声。コットンクラブの店内が、まるで'50年代のハリウッド映画に出てくるキャバレー(※お酒を出すエンタテインメント・スポット。日本の「キャバレー」とは概念が違います)のように感じられました。

「初めての来日でわくわくしています。時間をみつけて東京探検をしたい。いっぱいおいしいものを食べたい」と語るジル。彼女はよほど'50~'60年代のポップスを愛しているようです。3連のロッカ・バラード「Chances」や「Take It Off Your Mind」、チャールストン調の「Darlin' It Was You」といった自作は、どこかノスタルジックで、映画「アメリカン・グラフィティ」に挿入されていてもおかしくない曲調です。伝説のカントリー・シンガーであるパッツィ・クラインにインスパイアされたという「The Careless One」の哀感も印象に残りましたし、「目を閉じて、パリにいるような気分で味わってください」という前置きで歌われたシャンソン「Sous Le Ciel de Paris」(パリの空の下)にも客席は湧きました。ピアニストのロビー・グルンヴァルトがこの曲だけアコーディオンに持ち替えて、歌に寄り添うような伴奏をつけていたのも聴きどころでした。

アコースティック楽器中心に構成された優しい伴奏に、メロディアスなヴォーカル、そして20世紀のポップスに寄せる愛情。フェアーグラウンド・アトラクションあたりのファンにもぜひおすすめしたいライヴです。公演は「ブルーノート東京」に舞台を移して16日まで続きます。
(原田 2015 4.15)


Photo by Y.Yoneda

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