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THE LEGENDARY COUNT BASIE ORCHESTRA directed by SCOTTY BARNHART

artist COUNT BASIE ORCHESTRA

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


創設者のカウント・ベイシーが亡くなって、今年でちょうど30年。しかしバンドは"ザ・レジェンダリー・カウント・ベイシー・オーケストラ"と名乗り、今なお世界中のファンの声援に応えています。今回の来日公演では新コンダクターにトランペット奏者のスコッティ・バーンハートが就任、レパートリーにも変化が加わりました。

スコッティは1964年に生まれました。ぼくは90年代初頭、マーカス・ロバーツというピアニストのアルバムで彼の存在を知りましたが、ほかにもトニー・ベネット、ウィントン・マルサリス、レイ・チャールズ、ティト・プエンテらとの共演歴を持っています。ベイシー・オーケストラには、フランク・フォスターがコンダクターを務めていた'93年から参加しています。指揮ぶりは実に滑らか、トランペットの音色も輝かしく、もういうことなしです。

オープニングはフランク・シナトラの当たり曲「Come Fly With Me」。生前のシナトラはベイシー楽団の伴奏で歌うのが大好きで(3枚の共演盤を残しています)、ベイシー楽団もシナトラ愛唱曲集を吹き込んでいます。この日は"シナトラ・デイ"だったのか、ほかに「In The Wee Small Hours」や「I Thought About You」もプレイされました。美しいメロディ、洒落たアンサンブル、メリハリの効いたリズムがビッグ・バンドの醍醐味を運びます。

またこの日は、ベイシー楽団が1959年に残した名盤『チェアマン・オブ・ザ・ボード』からの曲もとりあげられました。フランク・フォスターが書いた「Who、Me?」は前任コンダクターのデニス・マクレル時代にも何度も演奏されていましたが、まさかフランク・ウェス作「Half Moon Street」が飛び出すとは思いませんでした。フォスターの曲では、これまた渋い「Four Five Six」(アルバム『イージン・イット』収録)も聴くことができました。ベイシー楽団が長い歴史を通じて残してきた無数のレパートリーにしっかり光をあてる姿勢は素晴らしいと思います。

もちろん「April In Paris」や「Lil' Darlin'」などの定番もしっかり披露。クラレンス・バンクス(トロンボーン)、ダグ・ローレンス(テナー・サックス)、ボビー・フロイド(ピアノ)らのプレイも傑出していました。普遍的なスウィングを届けながらも、そのつど必ず新味を織り交ぜてくるベイシー・オーケストラ。今回の公演も聴き逃せません!
(原田 2014 9.21)

SET LIST

2014 9.20 SAT.
    

1st
1. COME FLY WITH ME
2. WHO ME?
3. HEY JIM
4. IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING
5. CORNER POCKET
6. HALF MOON STREET
7. FOUR FIVE SIX
8. LI’L DARLIN’
9. I THOUGHT ABOUT YOU
10. BASIE POWER
11. FROM ONE TO ANOTHER
12. I CAN'T GIVE YOU ANYTHING
13. WHIRLYBIRDS
14. ONE’O CLOCK JUMP
EC. APRIL IN PARIS
 
2nd
1. BASIE LAND
2. MOTEN SWING
3. SHINY STOCKINGS
4. I’VE GROWN ACCUSTOMED TO HER FACE
5. BACK TO THE APPLE
6. YOU 'N' ME
7. THE WIND MACHINE
8. SPLANKY
9. AIN'T GOT NOTHING BUT THE BLUES
10. CUTE
11. BLUES IN HOSS' FLAT
12. I CAN'T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE
13. JAMIE
14. BASIE
15. ONE 'O CLOCK JUMP
EC. BASIE POWER

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