原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

　
　
日本有数のミュージシャンがズラリと揃ったドリーム･バンド、"本田雅人B.B.STATION"の公演が始まっています。

彼らが夏の「ブルーノート東京」を飾るのは、これが4年目。マリーンとのセッションで登場したときもありますし、マイケル･ジャクソンのカヴァーを演奏したこともありました。しかし今回は本田雅人の自作を集めて突っ走ってくれました。

このオリジナル曲がまた、実に楽しいのです。ビッグ･バンド用の書き下ろしはもちろん、これまでソロ･アルバムや、T-スクエア時代に発表した曲も大編成用の新アレンジで生まれ変わります。凄腕を集めたトランペット･セクションが豪快に鳴り響き、トロンボーン･セクションは唸り、サックス･セクションは完璧なサックス・ソリ（サックスのみのアンサンブル・パート）でファンを圧倒します。

本田雅人はアルト･サックスとソプラノ･サックスを吹きましたが、ぼくが驚いたのは曲想に応じて、アルトのマウスピースを取り替えていたことです。ハードラバー･マウスピースによるふくよかな音、そしてメタル・マウスピースでのアタックの鋭い音。どちらも心に迫ってきました。

カウント･ベイシー調のスインギーなナンバーも、ファンクやロック的なナンバーも、余裕たっぷりにこなす"本田雅人B.B.STATION"。その多彩なサウンドは、まさしくビッグ･バンドの幅広い魅力を音楽ファンに伝えるための発信地といった感じです。

すっかり蒸し暑くなった今日この頃ですが、彼らの演奏は熱く、そして爽快です。公演は本日まで。B.B.STATIONのライヴに接して、スカッとしませんか？
(原田 2013 7.8）