LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


BENNY GOLSON QUARTET

artist BENNY GOLSON

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


1950年代初頭からジャズ界の第一線で活動を続ける"リヴィング・レジェンド"、ベニー・ゴルソンが約5年ぶりに来日しています。

これまでの主な共演者にはクリフォード・ブラウン、ディジー・ガレスピー、アート・ブレイキー、マックス・ローチ、リー・モーガン、カーティス・フラー、フレディ・ハバード、アート・ファーマー、キャノンボール・アダレイ、ビル・エヴァンス、ウィントン・ケリーなどなど、いまや神話の一部となった顔ぶれが並びます。ゴルソンは彼らと同じ空気を吸い、同じヴァイブレーションを共有しながら、ジャズ界に貢献してきました。そして、そのエッセンスを、2013年に生きる我々に伝えてくれるのです。

共演者はマイク・レドン(ピアノ)、バスター・ウィリアムス(ベース)、カール・アレン(ドラムス)という不動のメンバー。ゴルソンがこの顔ぶれと演奏を始めて、もう10年近くが経ちます。'59年にアート・ファーマーと組んだ"ジャズテット"は約3年しか続きませんでしたから(のちに何度か再結成しますが)、ゴルソンはその3倍もの歳月をこのグループに費やしているのです。名義こそベニー・ゴルソン・カルテットですが、アドリブのスペースは全員対等。ピアノもベースもドラムスも、たっぷりソロをとり、実力をアピールします。

ぼくが聴いた初日のファースト・セットでは、「Along Came Betty」、「I Remember Clifford」といった不滅のゴルソン・クラシックスに加え、少年時代からの友人であるジョン・コルトレーンが書いた「Mr.P.C.」などを聴かせてくれました。また、MCでは、ブラウンやコルトレーンにまつわる思い出を、とてもわかりやすい英語で話してくれました。「先に旅立ってしまった天才たちの人となりを、ぜひ今のジャズ・ファンにも伝えたい」・・・そんな気持ちが伝わってくるような、心あたたまる語りでした。

公演は16日まで続きます。なにしろ稀代の作曲家として知られるゴルソンです。セットごとに、いろんな名曲が、彼のテナー・サックスによって自作自演されることは間違いないでしょう。モダン・ジャズ黄金時代の香りを、生で味わうなら今です。
(原田 2013 5.13)

SET LIST

2013 5.13 MON.
1st
1. HORIZON AHEAD
2. TINY CAPERS
3. SUMMERTIME
4. MR. PC
5. I REMEMBER CLIFFORD
6. ALONG CAME BETTY
2nd
1. WHISPER NOT/td>
2. BEAUTIFUL LOVE
3. TAKE THE A TRAIN
4. OUT OF THE DARKNESS AND INTO THE LIGHT
5. KILLER JOE
6. BLUES MARCH

INDEX